家づくりを始めた頃に、割と面食らったのが、とある工務店から「なぜ和室が必要なんですか?」と尋問されたことです。
この話は何度か書いているので、よっぽど恨んでいる感じ(笑)ですが、最近の「バルコニー不要論」に代表される●●●本当にいりますか?とプロがドヤ顔で言ってるのを見ると、この苦い体験を思い出してしまいます。
確かに、我が家が考えていた30坪前後の延床面積の注文住宅の建築事例を見ると、和室のある4LDKよりも3LDKのプランが多かったように思います。
一方で、同じぐらいの建売住宅のプランを見ると、今でもまず必ず和室は含まれていますよね。
注文住宅の話を聞いていると、和室なんて古いのかなぁと思わされますが、たくさんの若い方も選ばれると思われる建売住宅のプランに和室があるというのはどういうことなんでしょう。
そんなことを考えながら、我が家は和室のある現在の間取りにしておいて良かったと、振り返る機会がありましたので書いてみます。
正解かどうかは誰が決めるんだろう@Fathromi RamdlonによるPixabayからの画像
建てたい家と売れる家
前述の和室の話ですが、注文住宅を扱う工務店には「建てたい家・建てるべき家」を建てたいという考えが念頭にあり、建売住宅では「売れる家」を建てるというスタンスの違いが、和室の扱いにも現れているのかなと思います。
バルコニーも大抵の建売住宅に採用されていますが、「建てるべき家」のこだわりがある注文住宅のプロからすると、売れる家が正しい選択とは限らないと言いたいのかなと感じます。
建売住宅に限りませんが、性能面でも低い仕様の住宅が大量供給されていることを批判する意見もありますよね。
これは、素直に受け止めれば、とても施主想いな考え方なのだと思いますが、天の邪鬼な私は、次のようにも考えてしまいます。
「売れるということは、(和室やバルコニーも含めて)多くの顧客のニーズがやっぱりあるってことでは?」
量産されること、たくさん選ばれることにも意味はあると思うんだけどなぁ
さらに・・・
「プロ視点の正しいが必ずしも自分の幸せとイコールとは限らない。何を嬉しい幸せと思うかは本人や家族しかわからないので、何が必要かは悔いなく自分で決めたいなぁ。」
決してプロの意見を蔑ろにすべきというわけではありませんが、もしプロの意見だけを鵜呑みにした判断で、後々後悔に繋がったら、ずっとそのプロの意見のせいだと恨み続けなければなりませんからね。
ここで、もう一つ思い出すのが、上から目線な対応が印象的だった工務店に予算を告げたら「家を小さくすれば建てられるよ」と言われたことです。
この工務店では、ガルバリウムやアイアンウッドを使った湘南らしいおしゃれな家づくりにこだわりがあり、その性能や価値を熱演されましたが、我が家が見栄えや高度な性能よりも少しでも広い家を予算内で実現したいという考えには協力してくれそうにないと、すぐ察知しました(苦笑)
注文住宅というぐらいですから、一見なんでも施主の要望どおりに動いてくれるとイメージしてしまいますが、実際は建築会社の建てたい家と施主が建てたい家の方向性が合っている相手を探すのが本当に難しいんですよね。
ちなみに我が家を建ててくれたアコルデは、心から「とにかく施主が喜んでくれる家」を建てたいと思ってくれてると感じられたのが、他の会社と一線を画するところでした。
我が家には性能よりも間取りだった
そもそも、建売住宅を考えていたところに1500万円程度で注文住宅が建てられると聞いてスタートしたので、予算設定が低すぎた訳ですが、たしかに和室も諦めて床面積を減らせば性能の高い家を建てられたかもしれません。
ですが、当時は、今ほど建築費アップと性能向上は連動しておらず、豪華設備や贅沢仕様に向いていたので、あまり性能は変わらなかったかも。
特に高気密高断熱にこだわりのある外断熱系の家でもサッシ関係の言及は、当時は、まずなかったですからね。
我が家は、そんな少ない予算ながら、18畳LDKと6畳の和室を実現するプランを実現しようとしていたのですから、ローコスト注文住宅になるのは必然です。
でも、建売住宅でも16畳LDKと6畳和室は普通にいくつも選択肢があったので、子供部屋を少し小さくすれば実現できるのではと思っていたんですよね。
建売でも、こんな18畳LDKと和室のプランがあるくらいなので出来そうに思ったんですよね….
建築系Youtuberさんの動画を見ていると数字上の広さにこだわり過ぎないほうがよいという意見も見かけるのですが、やっぱり我が家は広さと和室の確保にこだわって実現したことを本当に満足しています。
次男はリビングと和室の勉強がお気に入り
実はつい先日次男の大学受験が終了し、無事進学を決めてくれました。新築当時に10歳で、上棟でお清めをしてくれた、あの小さな次男がもう大学生なのですから、親は歳をとるわけです。
今回、初めての共通テスト、英語の試験制度の混乱、コロナ禍での混乱など、翻弄され続ける受験となり緊張の日々でしたが、ようやく開放されました。
我が家にとっては快挙と言える進学先を無事決めてくれたのですが、この次男には小さな頃から勉強で苦労させられることはありませんでした。
中二までは、塾にも行かずベネッセの教材だけで学習していたのですが、彼の勉強の定位置は流行りのリビング学習でした。特に流行りを意識して誘導したわけではなく、妻が料理や洗い物をしていようが、テレビを見ていようが構わずリビングで黙々と勉強をするスタイルがいつの間にか定着していました。
折角作った個室を使えばと促したのですが、本人は騒がしいリビングのほうが良いらしく、中学生の頃にはまず自分の部屋で勉強した姿を見たことがありません。
少々脚色のある次男の勉強風景@住まいの設計取材より
大学受験の直前には、流石に自分の部屋を使うこともありましたが、和室はつい先日まですっかり彼の専有勉強スペースとして要塞化していました。
当初から想定していたわけではありませんが、和室の本棚は次男の教科書や参考書でいっぱいになり、ようやく最近片付けることが出来たというわけです。
リビング勉強目的なら、別に和室でなくても良かったのですが、とにかく18畳LDKと6畳和室をつなげると24畳になる広いスペースを確保出来たことが大きいと思っています。
これだけの広さがあると、同じフロアで4人家族全員で過ごしてもストレスがなく楽なんですよね。
なので、適度な距離感を持ちながら、家族の気配を感じて安心して勉強に集中するのに良い環境としてよかったのかなと都合よく解釈しています(笑)。
もちろん、本人の努力あっての結果で、全く関係ない自己満足の可能性も高いですけどねー(笑)。
ちなみに、メンタリストDaiGoさんの子供が成功する実家の特徴という動画では、子供の成功と実家の広さの相関関係があるという研究結果を紹介していました。
もちろん、次男は進学を決めただけなので、成功するかどうかはわからないですけどね。
ということで、広さにこだわるためにローコスト住宅を活用するという判断も選択肢としてはアリなんじゃないかなぁとボソッと言ってみたかったのですが、見る人が見ると怒られそうだなぁ(汗)。
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