先月、ローコスト住宅をディスりすぎな気がする問題って記事を書いてみましたが、またローコスト住宅について考えてみました。
家づくりを考えた当時、建売住宅も視野にあったため、某パワービルダーの建物なども調べていたのですが、ネットで情報収集していると、色々と心配になるネガティブな情報が入ってくるんですよね。
例えば、「●●●の建物なんて、20年ぐらいで住めなくなるからだめだ」という類の意見です。
これ、意外に結構真に受けちゃうんですよね。。。。
もちろん、我が家も検討した激安ローコストメーカーや、激安パワービルダーなどの施工の雑さは当時も色々話を聞いたり、実際工事現場で目の当たりにして、やはり避けたいなぁと確かに思いました。
だからこそ、アコルデの丁寧な施工に安心して、価値を感じられたのだと思います。
でも、その雑な施工と耐久年数の具体的な相関関係って、あまり明確になっていないんですよね。
そもそも、自分自身何年持つ家を想定して、家づくりをしていたのか?と問われると答えられないなぁと感じました。
なんとなく、長持ちする家が良いと誰もがイメージを持っていると思いますが、本当にその耐久性が自分たちの暮らしに必要とされているのか?コストパフォーマンスは適切なのか?と考えてみるのも興味深いと思ってちょっと調べて見た内容になります。
住めなくなるって、こんなイメージかなぁ@niafalconによるPixabayからの画像
築何年で建て替えられている?
一般社団法人住宅生産団体連合会による『2017年度戸建注文住宅の顧客実態調査』によると、建替建物の平均築年数は37.0年(2017年度)だそうです。
下記は、過去の同団体調査(こちらの引用)も含む推移です。
2008年度 33.0年
2009年度 34.0年
2010年度 34.3年
2011年度 36.4年
2012年度 36.4年
2013年度 38.3年
2014年度 36.2年
2015年度 38.3年
2016年度 36.8年
2017年度 37.0年
少しずつ平均築年数が伸びており、住宅の寿命が長期化していることを示していますが、まだ40年以下で建て替えられることが多いのですね。
日本の住宅って、海外に比べて寿命が短いと言われることが多く、長期優良住宅なんかも、もっと住宅の長寿命化を進めようという動きなのだと思いますが、原因は住宅自体の耐久性だけなんでしょうか?
ローコスト住宅の耐用年数
では、ローコスト住宅をディスりすぎな気がする問題でも引用した、某ハウスメーカーのローコスト住宅との比較情報です。
大和ハウス|TRY家コラム(トライエコラム)|生涯コストで考える住まい ローコスト住宅と高性能住宅 大事な住宅選び、初期コストで決めてしまっていませんか?
【ダイワハウスのTRY家コラム(トライエコラム)】生涯コストで考える住まい ローコスト住宅と高性能住宅 大事な住宅選び、初期コストで決めてしまっていませんか?
ここでは、ローコスト住宅は概ね50年未満とあるのですが、これを見て私は「ローコスト住宅って50年ももつんだ」と思ってしまいました(笑)
一方で、高性能住宅は75〜90年とあります。前述の平均築年数との乖離がかなり大きいですね。
この耐用年数を必要として、住宅を投資される方って、どのようなライフプランを持たれているのかなと興味があります。
社会的に住宅を長寿命化していく流れもあってのことだと思いますが、実態としては40年未満で建て替えられることが多いのであれば、適正な目標耐用年数とそれに見合ったコストを意識しておくことも重要に感じました。
実質親が建てた家を子供が引き継いでくれるかどうかなど、核家族化が進む日本の慣習の中では、耐用年数以外にも要因がありそうです。
セキスイハイムは実はローコスト住宅だった?
ここで、話が飛びますが、我が家の近くでよく見かける、このような建物が最近建替えラッシュにあります。
[引用:セキスイハイム – Wikipedia]
以前から宇宙船みたいな、不思議で特徴がある建物だなぁと思っていたのですが、これはユニット型住宅で有名なセキスイハイムのセキスイハイムMRという1978年の商品だそうです。
最近では、ユニット型住宅と思えないような多彩なデザインができるように進化していますが、当時はこのようにいかにもボックスユニットという感じの住宅だったんですね。
セキスイハイムMRは1978年の商品ということですから、現在築40〜41年というところでしょうか?
前述の建替建物の平均年数を少し超えたところという感じですね。
とても個性あるデザインの住宅で、現在見るとレトロ感が漂いますが、当時は画期的な工法で注目を浴びた先進的な住宅だったようです。
初代の「セキスイハイムM1」は、未来技術遺産にも登録されており、当時この住宅に住んでいる方々は、鼻高々だったんでしょうね。
鉄骨ユニット「セキスイハイムM1」が未来技術遺産に登録 | 住宅・不動産ニュース:企業・団体:新建ハウジングDIGITAL(新建新聞社)
…今回登録された「セキスイハイムM1」は、工場生産率の高いユニット工法により品質・性能・コストパフォーマンスを両立。良質安価な住宅の供給が急がれていた当時の住宅業界では、革新的な技術として注目を浴びた。…(中略)… 世界で初めて市場で成功したボックスユニットによるプレハブ住宅であること、工場生産の比率を上げたことで1万8000棟以上の販売を記録したこと、当時の一般的な建築単価5~6万円/m2(坪17~20万円)に対して4万円/m2(坪13万円台)を実現したことなどが未来技術遺産として評価された。 現在、茨城県つくば市に実物棟を移築し保存しているという。
確かに、この写真を見ると、当時は相当モダンでかっこよかったんだろうなと思います。
もう一点の注目ポイントは、この住宅は一般的な建築単価より安く、今で言うとローコスト住宅だったと言える点です。
工業生産である点から、現在のローコスト住宅との直接比較は難しく、あくまで価格が安いという意味でしかありませんが。でも、当時のセキスイハイムが安く建てられたから、40年後に建て替えることができたとも考えられないでしょうか?
住宅のフレキシビリティとは
このセキスイハイムM1のコンセプトの一つに「フレキシビリティ」として、次のような考えが示されていました。
ー社会ストックとしての継続性を持つためには、生活者の変化や時間の経緯に耐えられる耐久性とフレキシビリティが必要です。−
[引用: «建築家大野勝彦氏とセキスイハイムM1»]
この意図に基づいて、ボックスユニットが、多様な利用目的に対応できるようにしたり、「ユニット単位での足し引きをも含めた部品の交換性」を狙いとして作られたそうです。
「再築システムの家」という資源循環型住宅を実現できたのも、そのコンセプトの成果の一つだと思います。
しかし、我が家の近辺のセキスイハイムMRの場合は、あくまで新築建替えであり、メーカーはセキスイハイムとは限りません。
この生活者の変化に対応するフレキシビリティという考え方には、とても共感するのですが、皮肉なことに建物自体を活かすことが前提ではなく、建て替えられるフレキシビリティが求められたようです。
一方で、セキスイハイムMR以上の築年数と思われる古家が最近フルリフォームされている様子も見かけました。
阪神大震災の時に、「傾いた家が従来工法なら上から釣り上げて直せるのに、ハウスメーカーの家は建て替えるしかないんだよねー」と聞いたことがあります。
セキスイハイムの家が、先進性あり個性的すぎるために、逆に建て替えるしかないという結果を招いたのかもしれません。
この事例から実感するのは、何十年も先の暮らしや価値観を想像するのは本当に難しいことです。
よく、パワービルダーの建売住宅を揶揄するように、「土地を買ったと割り切って、20年住んだら建て替えればいいんだよ」という意見も見かけますが、あながちこの意見も間違っていない気がするんです。
いくらなんでも20年で建替えが必要なほどにはならないと思うのですが・・・・
例えば、今建てた高級住宅の40年後と、40年後のローコスト住宅の新築を比べると、どちらが生活者の変化に対応できるでしょうか。
ローコストだから寿命が短いと決めつけられない
ちなみに、ローコスト住宅だから建売住宅だから寿命が短いという考え方も後回があるようです。
「建売であるか注文であるかは、そもそも寿命とは関係がありません。」という意見がありましたが、全くそのとおりだと思います。
もちろん、耐久性の高い建材を使っている高級住宅に比べて、メンテナンスにコストがかかるというデメリットが指摘されるでしょう。しかし、逆に考えると必要に応じてメンテナンスコストをどこまでかけるか都度判断していけるフレキシビリティがあるとも言えます。
長い人生、家よりもかけるべきお金が必要になることもあるかもしれませんからね。
もし、我が家が高級ハウスメーカーで建てられる予算を持っていたら、アコルデで2回建てられたかも。
妄想だけでもワクワクしますねー(笑)
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