今どきのローコスト注文住宅の選択肢を調べてみた(後編)

    パワービルダー(建売・規格住宅)

    ローコスト注文住宅のことを調べてみた話しの続きです。

    最近は「ローコスト注文住宅」で検索してみても、あまり目新しい情報が出てこないのですが、つい最近のニュースで「~SIMPLE IS WONDERFUL~  1000万円で高耐震・高断熱なセンスのいい注文住宅が作れるAQ HAUSが誕生!」というプレスリリースが出ているのを見かけました。

    株式会社AQ Groupという会社の製品なののですが、聞き慣れない社名です。でも、社長の名前がどこかで見たことがあるなぁと思っていたら、一年前に社名を変更した旧株式会社アキュラホームなんですね。

    今では、アキュラホームはミドルコスト層の価格帯のハウスメーカーですが、元々アキュラシステムというローコスト住宅の仕組みを全国に広げたパイオニアというイメージを持っています。

    そんな、現時点でAQ HAUSの公式サイトを見ても、まだ詳しい情報はわかりませんが、ローコスト住宅を切り開いたカンナ社長があらためてどんなローコスト住宅を提供してくれるのかが楽しみです。

    一方で、アキュラホームが25年間主宰していた工務店ネットワーク「JAHBnet(ジャーブネット)」が、2023年12月末に解散となっていました。
    まさに、これがアキュラホームのローコスト住宅の仕組みだったわけですが、ローコスト住宅も大きな転換期を迎えたということですかね。

    さて今回は、そんなアキュラホームのJAHBnetとは、別のローコスト住宅ネットワークを見つけたので取り上げてみます。

    やはり1000万円からの目線は変わっていなかった

    我が家が建てた12年前とは、すっかり注文住宅の相場感は変わってしまい、巷では2000万円以下ではまともに家は建たないというのが、常識になっているように感じます。

    一方で、それほど住宅購入層のお財布事情に違いがあるのだろうかというのが疑問だったのですが、今回見つけた「JUSTY HOUSE」は、952万円(しかも税込み)からの家づくりを掲げていました。

    JUSTYHOUSE 辿り着いたのは「モノ」ではなく「ヒト」でした

    あくまで952万円は24坪の場合ですが、29坪で税込1,078万円、32坪で税込1,155万円は、今どきの相場では、かなりローコストなのではないでしょうか?

    企画住宅タイプの注文住宅ですが、我が家の土地にも建てられそうな32坪の間取りもありました。
    これで、1,155万円税込みの本体価格であれば、当時の我が家の予算でも選択肢に十分入ったと思います。

    当時、下記のように1000万円以内の本体価格の建物を必死で探していたことを思い出します。
    付帯費用含めて建築費を1500万円を目指すと、本体価格1000万円が目安だったんですよね。

    ちなみに、当時980万円で32坪までの間取りを選べた企画住宅を提供していた一建設は、31.8坪で参考価格が1670万円になっていました。

    一建設 間取り・家づくりのシミュレーション

    付帯費用も含んだコミコミ価格のようなのですが、建売住宅を手掛けるパワービルダーのスケールメリットを持ってしても、この価格になるのが今の相場なんですね。
    当時は、980万円の本体価格に付帯費用を含めて約1330万円(税込)だったので、約350〜400万円ぐらい値上がりしているイメージですね。

    ローコストな理由と気になる仕様

    「JUSTY HOUSE」がローコストな理由は、次のように説明されていました。

    Low COST|企画型注文住宅ジャスティハウス | 952万円からの家づくり

    共同仕入れと、間取りの規格化などは、特段めずらしくない理由です。
    スケールメリットを考えるとパワービルダーの一建設やアイダ設計のほうが有利な気がするのですが、この理由だけで、今どきここまで安くできるものなんでしょうか。

    共同仕入れ工務店ネットワークといえば、日本最大と言われていたアキュラホームのジャーブネットがかなり大きな役割を担っていたはずですが、解散に伴って新たな受け皿となる工務店ネットワークが育ってきてるのかも。

    そう言えば、我が家が建てたアコルデも、当時オーパスの工務店ネットワークを使って、低価格で材料を仕入れられることをアピールされていました。

    アコルデ住宅

    安いのはありがたいのですが、気になるのが仕様です。
    今どき、必ず最初にチェックされるのが窓でしょう。

    なんと、このご時世で男前にも、アルミサッシです。樹脂アングルとありますが、樹脂複合ではない純粋なアルミサッシです。我が家のDuoPGと同じですね。
    今どきの建売住宅でも、アルミ樹脂複合サッシを採用するようになったのですが、未だにアルミサッシを標準採用するケースもあるんですね。三協アルミが標準というのも私は初めてみました。
    流石に複層ガラスではありますが、Low-Eとは書かれていません。
    我が家は、内窓を付けて現在は満足しているので、戦略的に先進的窓リノベを利用して内窓を付けることにするのも一つの選択肢かもしれません。内窓をLow-Eにする場合は、既存窓はLow-Eじゃないほうが熱割れの心配もないですし。

    今どき、こんなこと、お勧めすると多方面から怒られると思いますが。

    続いて外壁です。

    12年前当時のローコスト注文住宅といえば、14mm釘打ちサイディングが標準が一般的だったので、16mm金具留め仕様となっているのは、お得感があります。我が家は、約30万円のオプション費用で16mmにしましたので。
    ただし、高耐久のコーキングの記載はありません。

    続いて、断熱材はどうでしょう?

    うーん。壁はともかく、天井のグラスウールが100mmで、床断熱の発泡ポリスチレンボード30mmは随分心もとないですね。これでは、断熱等級4さえクリアできるのかどうか不安ですね。
    12年前のローコスト住宅でも、なかなか見かけなかった断熱材の薄さです。

    下記のページでは、標準仕様で省エネ性能ラベル(BELS)の4,5を取得可能なZEH相当の性能とのことなんですけど、薄くても性能の高い断熱材なんでしょうか。

    EVENT | 《異なるスタイル3棟》33坪の等身大のモデルハウス公開 | 企画型注文住宅ジャスティハウス | 952万円からの家づくり

    我が家が建てた頃に、この手の仕様で建てて現在も過ごしておられるご家庭もたくさんいらっしゃると思うので、十分理解して納得できていれば、十分生活することはできるはずだと思います。

    でも、やっぱり今は怒られそうですが(誰に)。

    月々4万円台で土地と建物って本当に?

    ジャスティハウスのサイトでは、月々4万円台で700万円の土地と建物の新築一戸建てを実現できる支払い事例を紹介しています。

    Low COST|企画型注文住宅ジャスティハウス | 952万円からの家づくり

    土地700万円という時点で、我が家の地域では、まずありえない価格帯なので参考にならない例になりますが、モデルケースに出ているような30代の家族の目を引く支払いシミュレーションだと思います。

    24坪の建物で、建物本体価格しか計算に入っておらず、別途付帯費用や外構工事費がかかるはずですが、アイダ設計やはなまるハウスをも下回る金額帯で注文住宅が実現できる貴重な選択肢だと思います。

    でも、坪単価50万円や60万円の他社の注文住宅と比較しているのは、なんだか古い気がするんですよね。
    もっと、周りの相場は上がっていると思うので、比較にならないのではと思っていたら、答えに近いものを見つけてしまいました。

    実はこっちが本当の今の価格帯?

    ジャスティハウスは、群馬県の会社なのですが、小田原の1HOME(ワンホーム)という会社のサイトにこんな支払い例が出ていました。

    月々3万円台からの家づくり

    どこからどう見ても、ジャスティハウスとつながりがあるようにしか見えません(笑)
    でもよく見ると、年収設定が違ったり、比較対象の坪単価も大きく上がっています。
    そもそも、1HOMEの比較では土地の費用は入っていない代わりに、付帯工事費が含まれています。

    ギリギリですが、4万円を切っていることで、「月々3万円台からの家づくり」とアピールしています。

    建物に対してであれば、嘘ではないんですが、物は言いようという感じですね(苦笑)

    ただ、付帯工事費も含めた建築コストが明確になるので、こっちのほうが計画は立てやすいですね。
    この金額で見てみると、一建設の31.8坪1670万円のほうが割安感を感じます。

    ジャスティホームの価格帯は、群馬県でこそ可能な価格なのかもしれません。

    私が見る限りでは、1HOMEがジャスティハウスの加盟店であるとの情報は出てこないのですが、会社のロゴで比較してみると、ほぼ系列であることは間違いないでしょう。

    24坪の建物で、付帯工事含めて1500万円超えだと、ローコストとはいえ、やはり12年前当時とはかなり差がありますね。これが、今の現実のようです。

    あわよくば、もう一度建てたいとか妄想してましたが、これじゃぁとても手が出ませんね。

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