最近、坪単価いくら以下がローコスト住宅なのですかというカキコミを目にしました。
坪単価で判断することの問題点は、我が家が家づくりした頃から言い尽くされてきたことなのですが、その他にわかりやすく比較する決定的な方法がないのも事実です。
ただ、支払う価格でローコスト住宅を線引するのってどうなのかなと思ってしまいました。(ローコスト住宅カテゴリで長年ブログ書いておいてなんですが)
これだけ、住宅価格の高騰のスピードが早くなると、金額と内容の関係がどんどん変わってしまいますしね。
しかし、そのあたりをブログにしてみようと思って、過去を振り返って色々調べているうちに、今回は違う方向の記事になってしまいました。
ローコスト住宅の線引の話は、また別の機会に書くことにして、我が家の場合で今のローコスト住宅でどのような坪単価になるかを妄想してみました。
今建てちゃえる人はすごいと思う@craftbeermaniaさんによる写真ACからの画像
ローコスト住宅の坪単価の通説は?
どのくらいの坪単価からかがローコストかというのは、本当に色々な意見があると思います。計算の条件によっても変わりますからね。
簡単に調べてみただけでも、次のような定義がありました。
坪単価25〜50万円程度の安い家を「ローコスト住宅」と呼ぶことが多い
広さが35坪程度で1,000万円台、坪単価でいうと20万円台~40万円台前半くらいの住宅のことをいいます。
【ホームズ】ローコスト住宅とは? 安さの理由や工夫の仕方と注意点 | 住まいのお役立ち情報
できるだけコストを抑えて家を建てたい。そんなときの選択肢のひとつにローコスト住宅があります。ローコスト住宅とは比較的安い価格で建てられる家のことですが、その安さの理由はどんな点にあるのでしょうか。安価にできる仕組みを知ることで、建てるときの工夫の仕方が分かってきます。また、建てたあとのメンテナンス費用やランニングコスト、会社選びも重要です。住まいのイメージを具現化して、家づくのダンドリを進めていきましょう。 | 住まいのお役立ち情報【LIFULL HOME’S】
坪単価で10万円ほどの差があるのですが、30坪の住宅で換算すると総額で300万円もの、かなり大きな違いになります。
さらに、この金額帯は、我が家が建てた、10年前のローコスト住宅のイメージと変わらないので、最新の住宅価格事情にアップデートされていないように思います。
そもそも、私の中では「ローコスト住宅」は、”コストを抑えることを重視して合理性を高めた住宅”という、一つのコンセプトを明示したものだったんじゃないのかと思うのですが、今では「ローコスト住宅」=「安かろう悪かろう」のネガティブなイメージが強いんですよね。
たとえば、選択肢の自由度に制限を設けたり、過度な豪華さや贅沢設備を避けることで、コストを抑えながら基本的な品質を確保するという考え方は、ますます住宅価格に手が届きにくくなるこれから重要になってくると思うのですが、何か他の言い方はないですかね。
おっと、このあたりは、次に書くんだった。
我が家の坪単価は結局いくらだったのか
我が家を建てたアコルデと並んで、コスパの高かったアチチホームの現在の価格を、少し前に推測したところなので、そこから坪単価を調べてみました。
当時の見積もり価格から計算してみると、本体工事のみと総費用で次のようになりました。
本体工事のみ: 35.8万円(1,104万円÷30.8坪)
総費用:44.6万円(1,374万円÷30.8坪)
確かに、前述のローコスト住宅の価格帯の定義に見事に収まっていますね。
しかし、現在の価格帯から推測した約27.9%の値上げを反映した坪単価を見てみましょう。
本体工事のみ: 45.8万円(1,412.8万円÷30.8坪)
総費用:57.2万円(1,761万円÷30.8坪)
かろうじて、本体工事はローコスト住宅の50万円以下の範囲に収まっていますが、総費用では50万円後半となってしまいました。
当時、もうこれ以上はまずないだろうという価格帯だと追い込むことができた会社の見積もりでも、ローコストと言えるかどうかという印象です。
私にとっては、ちっとも”低価格”な住宅とは感じられません(笑)が、ローコスト住宅かどうかは、論じないでおきます(汗)。
マイホーム購入は多くの方が一生に一度の、最も大きな買い物になりますが、さらに注文住宅の場合、最後まで一体いくらかかるのかを予測しずらいところが、頭の痛い問題です。特に、高額なハウスメーカーで契約される場合、この変動幅が大きいのだと思うので、シビアな予算管理が必要だったわが家にとってはローコスト住宅の存在は大変助かりました。久しぶりに、注文住宅の見積もりシミュレーションでどんなものがあるか調べてみた…
イシカワの場合
当時、住宅展示場のモデルハウスで見積もりを依頼したことがある貴重なハウスメーカーがイシカワです。
ブログでは、ウスカワと紹介している会社です。
当時、イシカワは、新潟から神奈川に進出して来たばかりのローコストを売りにしたハウスメーカーだったのですが、固定階段付きの小屋裏収納を備えた、魅力的な規格住宅を1,082万円〜展開していて、かなり本気で検討していました。
ただ、現在では、関東圏では茨木以外に店舗がないので、残念ながら撤退してしまったのかもしれません。
この、イシカワの当時の見積もりを見てみると、このようになっていました。
本体の坪単価が31.5万円なのですが、本体工事費に単価の異なるベランダの金額が合計されているので、ここから均して割ると単価が下がってしまうのですが、次のようになりました。
まず、当時の見積額で、
本体工事のみ(ベランダ含む): 29.2万円(961.9万円÷32.94坪)
総費用:50.3万円(1,374万円÷32.94坪)
という感じです。
当時のアチチホームに比べて280万円も高いので、ローコストとはいえ、さすがハウスメーカーだと痛感して見送ったのですが、ギリギリローコスト住宅の定義に当てはまる感じですね。
ちなみに、この見積の間取りから、もう少し坪数を広げましたし、固定階段の小屋裏収納や3箇所の電動シャッターが含まれていないので、もっと金額差は広がっていたと思います。
この金額を勝手に、アチチホームの値上がり率を当てはめて試算してみると、こんな感じになりそうです。
本体工事のみ(ベランダ含む): 37.36万円(1231万円÷32.94坪)
総費用:64.5万円(2125万円÷32.94坪)
本体工事費はともかく、総費用は、とても低価格な住宅という感覚はありません。
前回は規格住宅の間取りが合わなかったウスカワから、今度は自由設計での見積もり回答がありました。金額も仕様もちょうどいいのに間取りが合わない規格住宅 – 資金計画そうこうしているうちに、早速ウスカワから見積もりの返事がありました。やはり、規格住宅なので見積もりも早いようです。…kisekinomyhome.com…
イシカワの他の事例を探してみると、
2018年で、総額をバルコニー含めた坪数で割って約51万円で、
2019年で、総額をバルコニー含めた坪数で割って約53万円という情報がありました。
徐々に値上がり傾向はあったものの、コロナ前(というよりウッドショック前?)まだは、総額での坪単価50万円前半をなんとかキープしていたようですが、現在ではどうでしょう?
Webサイトを見ると、いちばん安そうなLifeという商品で1,587万〜となっているのですが、建物の広さや仕様がわからないので高いのか安いのか判断しにくいですね。
探してみると、2022年の3月時点でイシカワの見積結果を公開されているブロガーさんがいらっしゃいました。
前述のLifeよりの一つ上のBrightというグレードの情報で、ダブルの樹脂サッシ仕様なので、当時のアルミサッシ仕様とは単純に比較はできませんが、36坪のお家で本体価格1500万円の総額2475万円とのことです。
別途、バルコニーがあるそうなので、その分を坪数として追加して計算してみると、次のようになりました。
本体工事(バルコニー含む): 39.47万円(1500万円÷38坪)
総費用:65.1万円(2475万円÷38坪)
と、前述の予測となかなか近い結果になっています。
ただし、イシカワのWebサイトでは、Brightは1,666万円〜になっているので、すでにここから値上がりになっているかもしれませんね。
アサカワホームの場合
もう一社、建築会社検討の終盤にダメ元で見積もりを取ったのが、アサカワホームです。
ブログでは、アツカワホームと紹介してきました。
どうしても、住宅展示場にあるハウスメーカーで建てる夢を捨てきれなかった思い出です(笑)
ちなみに、この会社はオープンハウスグループに吸収され、オープンハウス・アーキテクトの前身となった会社です。
ここの見積もりは、ブログにも書いた通り、一見アチチホームの条件を上回ると見間違えるトリックがありました。
見積もりにかかれている明細が、合計に含まれていない項目が結構あったんですよね。
この手の、安いと勘違いしてしまう罠は、会社ごとに手を変えて存在するイメージなので、本当に油断できません。
このため、含まれていない費用を含めて実際の総費用も試算してみると、こんな感じになります。
本体工事のみ: 33万円(995万円÷30.18坪)
見積の総額:44.7万円(1,350万円÷30.18坪)
実際の総費用(推定):48.5万円(1,464万円÷30.18坪)
やはり、当時は我が家の住宅の規模だと、総額で約50万円ぐらいの単価に収斂されていく感じだったようです。
といっても、住宅展示場にモデルハウスがあるハウスメーカーとしては、ずば抜けて安い会社だったと思います。
この金額から、アチチホームの値上げ率をあててみると、こうなりました。
本体工事のみ: 41万円(1,273万円÷30.18坪)
見積の総額:57万円(1,730万円÷30.18坪)
実際の総費用(推定):62万円(1,876万円÷30.18坪)
総額では、アチチホームを100万円を超える程度と当時の関係性に近いですね。(同じ値上げ率での計算なのであたりまえ)
先日訪問したアツカワホームから、約二日後に見積りの返事がありました。ウレタンボードをはめ込む内断熱の家 – ローコストハウスメーカー実は、以前横浜の住宅展示場で訪問したアツカワホームの990万円の家が気になっていました。やる気はうすいが資料はアツい – ローコストハウスメーカーウスカワの話が一段落したので、時間を少し巻き戻します。ウスカワのモデルハウスへの初回訪問の後、折角横浜の住宅展示場まで来たので…
なかなか、オープンハウス・アーキテクトの実例は見当たらないのですが、こちらを見る限り、約30坪の本体工事で1,650万円と、建築総額2,310万円となっているので、本当はもっと高くなっているのかもしれません。
このように見てみると、約10年前にローコスト住宅を建てていた会社では、30坪ぐらいの建物価格が、1800〜2100万円前後になっている感覚なのかなと思います。
だとすると、坪単価は60〜70万円というイメージでしょうか?
私からすると、完全に当時のミドルから高級ハウスメーカーの価格帯という印象なのですが、一体全体、ローコスト住宅というレッテルは、何に対して貼ってるんでしょうね?
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