わが家は2021年にグリーン住宅ポイントで15.2万円相当のポイント還元を受けて、10箇所の内窓を取り付けています。
このおかげで、元々アルミサッシだったわが家でも、この冬も24時間エアコン暖房で家中快適に過ごせています。(電気代の高騰はすさまじいですが)
さらにポイントを原資に、待望だったテラス屋根の取り付けも実現することが出来たので、かなりお得な制度にめぐりあえたと満足しています。
しかし、昨年末発表された住宅省エネ2023キャンペーンの一つである、先進的窓リノベ事業が、何やら驚異的な補助金額が支給される、前代未聞な制度だと聞きました。
そこで、わが家が利用したグリーン住宅ポイントで施工した条件と、どのように違うのかを調べてみたのですが、確かにすごい一方で、注意が必要な点や誤解を招きそうな気になる点が見えてきたのでご紹介します。
先進的窓リノベってなんだ?
私が見たのは次の動画なのですが、とにかくすごそうということがよく伝わってきます(笑)
公式資料によると、目的はこんな感じ。
熱貫流率1.9以下の窓の性能への改修が対象になるようです。
最大一戸あたり200万円もの補助金が出ます。
1000億円の補正予算が組まれており、前述の動画によると過去に前例がない驚異的な条件なのだそうです。
リフォーム対象は、下記の通りガラス交換/内窓設置/外窓
交換(カバー工法orはつり広報)となります。
いずれも、Uw 1.9以下の性能を満たすことが条件ですが、内窓の場合は既設窓との組み合わせでの性能で評価するようです。
ただし、ここは後述の注意事項があります。
戸建て住宅の場合の補助額は、こんな感じです。
この表をひと目見て、素直に「すげぇ」というのが第一印象でした。
わが家が利用したグリーン住宅ポイント制度では、大に相当する掃き出し窓でも20,000ポイントの還元でしたから。
一番性能の低いAグレードでも69,000ポイントになっているではないですか。
これは、さぞかしお得に内窓設置ができるのだろうと考えたのですが、どうやら一筋縄ではいかないようです。
内窓はLow-E複層ガラス必須となる理由
わが家のインプラスは、Low-Eではない複層ガラスを採用しています。
既設の窓がLow-Eということもありますが、当時そこまで性能を追い求めることに必然性を感じなかったためです。
既設窓がLow-Eの場合、内窓にLow-Eを付けると熱割れの可能性があることは、後で知りました。
比較のために、わが家の非Low-Eの複層ガラスの条件で試算しようとしたのですが、先進的窓リノベの内窓は「Low-eが前提になる」という情報を目にしました。
わが家の場合、アルミサッシのDuoPG+Low-e複層ガラスの既設窓に、複層ガラスのインプラスを取り付けて、熱貫流率が1.74になり条件はクリアしているはずなのに、なぜLow-Eが必須なのでしょう?
どうやら、こちらの情報が根拠のようです。
※評価に用いる外窓仕様は、「金属製建具+単板ガラス」とすること。
先進的窓リノベ事業 対象建材・設備に関する登録及び運用マニュアル
金属製建具ということはアルミサッシなので、わが家と同様ですが、単板ガラスとは、かなり厳しい・・・
わが家の仕様と比べると、こんな感じです。
アルミサッシでも、Low-E複層ガラスのDuo-PGで3.49の性能なのですが、ここから複層ガラスのインプラスの追加でも、1.74となり1.9以下をクリアします。
しかし、単板ガラスのアルミサッシ前提となると、DuoPGの数値で調べてみると、2.26しかないので基準を満たせません。
Low-E複層ガラスの空気層11mm以上14mm未満で、1.71と基準を満たせる条件となるので、確かにこの条件であればLow-E必須となりますね。
計算を単純化するためか、高性能窓を前提とするためのルールなのかなと思いますが、既設窓がLow-eの場合は、熱割れの可能性に悩む方も出そうですね。
ちなみに、
単板アルミサッシDuoPGの熱貫流率は、こちらで確認し、
単板アルミサッシDuoPGにインプラスLow-E複層ガラスを付けた場合の熱貫流率はこちらで確認しています。
我が家のUA値のインプラス前後を調べてみたら、まぁまぁなるほどだった件
Low-E仕様に上げても自己負担が13万以上安くなるってホンマかいな!?
ここまでの内容を踏まえて、2021年のグリーン住宅ポイントでの条件と比較表を作ってみました。
見積額は、なるべく条件を合わせるためexshopの見積額で比較しています。
2021年のグリーン住宅ポイントの工事費用は、当時Webで複層ガラス見積もりを試算したときの内容で、今回の先進的窓リノベの金額は、現在WebでLow-E複層で取得した内容です。
当時からの値上げと、Low-Eになった分施工費はかなりアップしているのですが、補助金額の差がすさまじいです。
なんと、約16万円の自己負担で10箇所の内窓を付けられる計算になってしまいました。
グリーン住宅ポイントで付けたときよりも、Low-E性能に上げながら、負担が約13万円も下がるとは、確かに驚異的です。
これを見ると、「わが家も内窓取り付け早まったかな・・・」と思ってしまったのですが、そうは問屋が卸さないような気がするのです。
1/2相当とは上限のことなのか?
よく見ると、次の資料に微妙な表現がありました。
高い断熱性能を持つ窓への改修に関する費用の1/2相当等を定額補助(上限200万円)
先進的窓リノベ事業の概要
上限200万円とありますが、”1/2相当等を定額補助”という表現をどのように解釈すべきなのでしょう?
定額補助ということは、あらかじめ決まった前述の補助額そのままに定額で支払われるような気がするのですが、”改修に関する費用の1/2″というには、大きすぎる金額になります。
工事費の1/2が上限ということにはならないのでしょうか?
仮に補助額1/2を上限と考えると、このような計算になります。
これでも、グリーン住宅ポイントの約2倍の補助額になるのですが、自己負担額では、少し増額で、お得感のインパクトがあまりありません。
さらに、現在のexshop価格でテラス屋根を付けることにしたらどうなるかも計算してみました。
約4万円でLow-E仕様できると思えば、お得な気もしますが、これだと驚異的と言われるほどではない気もするんですよね。
前者の試算額のほうであれば、超おすすめと言えるのですが、どちらが正解なのか気になります。
LIXILのサイトでは、最大50%相当還元とあるので、やはり後者の計算になるのかなぁと思うのですが・・・
わかったところで、わが家は今更どうしようもないんですけどね(笑)
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