家の資産価値って誰のため?

    振り返り

    突然、近所に大きな更地が出来て「あれ?ここ何が建ってたっけ?」とびっくりすることありませんか?
    そんなときには、ストリートビューで確認すると写真が残ってたりするので今は便利ですね。

    よくあるのが、割と大きな邸宅だったのが、細かく分譲されるパターンです。
    いつも関心するのが、わが家の周辺では大抵決まってほぼ30坪くらいに均等に分割されるんですよね。

    さぞかし良いお値段で売れたんだろうなぁ、資産を持っているお家はすごいなぁと、
    下衆な勘繰りをしてしまう一方で、長年お住まいになられていた方のことを思うと少しさみしい気持ちになります。

    こんなところから、家?土地?不動産の資産価値ってなんなんだろう?
    誰のためなんだろうってことを少し考えてみました。

    ただし、ここでは、資産価値の意味を直接的な換金性での話に絞っています。
    メンテコストがかからないとか、光熱費が抑えられるなどの間接的な経済的効果を含めた価値の話しはまた別途・・・

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    あれ?ここ、いつの間に更地になってしもたん?@ALP(福岡県朝倉市)さんによる写真ACからの写真

    土地は30坪単位で分割出来るのがお得?

    わが家の建築当時に、不動産屋が建売業者が細かく分譲しすぎて町並みが乱れてると地主さんが嘆いてるとか言ってましたが、一番売れやすい単位なんでしょうね。不動産屋も建売業者を少し批判っぽく言ってましたが、結局その物件を仲介した商売をしているわけで、本心はどうなんでしょう?

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    そんなツメっ詰めで建てんでもといつも思いますが、売れちゃうから仕方ないですかね@チョコクロさんによる写真ACからの写真

    そう考えると、土地って30坪単位で分割しやすい広さや形で持っていると資産価値が高いのかなぁと思います。
    当時、広さ50坪の全部買うには高すぎるけど分割するのも中途半端な土地に出会って悩んだのを思い出します。
    この物件は、何年も売れなかったのですが、その後、素敵な一軒家が建ちましたが、当時の売出し価格のままで無事売れたのかなぁ。価値はあっても、価格にこだわると不動産は流動性が著しく落ちます。

    その意味では、わが家の土地も40坪なので分割できませんし、資産価値にこだわると1単位としては売れにくいかもしれませんね。

    では、売れやすいことで値が付きやすい資産価値のある不動産を売って得をするのは誰なんでしょうか?

    自宅っていつ売るの?誰が売るの?

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    お、俺の目の黒いうちは売らせはせん、売らせはせんぞ・・・みたいな?@bBearさんによる写真ACからの写真

    そう言えば、わが家が買うときは売主さんが現金化を急いでくれたので安く買えたんですよね。これは、娘さんが、二世帯住宅を建てて一緒に住むための資金にしようと提案してくれたことが理由です。
    ご主人を亡くされてお一人で暮らされていた高齢の売り主さんは、少し安売りになったことは複雑な雰囲気でしたが、二世帯住宅で娘さんと住めることはとても嬉しそうでした。

    わが家にとっても、とても幸運だったのですが、わが家の息子が果たして二世帯住宅で住もうと言ってくれるかなと考えてしまいました。
    もし、私が先に往生して妻が一人になったら、どっちかの息子が声をかけてくれるかもしれませんが、夫婦で暮らしているうちに家を売る機会ってどんなときでしょう?

    自分がいなくなったとき売らないなら、家の資産価値って残された人のためのもの?
    それはそれで素敵な考え方なのですが、そのために高い住宅ローンって払うものなんですかね?

    いゃ、高齢になったら夫婦だけで住み替える可能性もあるし、その時高く売れたほうが選択肢も広がるでしょ?
    って意見もありそうですが、家が高く売れるときってまわりの相場も上がってないですかね?

    住み慣れた同じ地域で住み続けようとすると買いたい物件も高い。一方予算にあう物件だと相場の安い地域に移住が必要かも・・・など悩む気がします。

    こんな感じで、住宅ローンを支払う本人が自宅の資産価値を実感する機会って、どのくらいあるのかなぁと考えてしまうんですよね。

    それに、よく言われる自宅の資産価値の換金性って具体的にどのようにイメージしているでしょうか?

    将来売るときに資産価値がある家ってどんなイメージ?

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    かけたお金大きさが家の価値を決めるの?本当?@Raten-KaufによるPixabayからの画像

    ローコスト住宅だと資産にならないですよ、将来資産になる家を建てておいたほうがよいですよーと言われて、漠然とイメージするのはどんなシナリオでしょうか?

    個人的には、BADシナリオ含めて次のようなパターンが考えられるかなと思います。

    1. 1,500万円で建てたが0円に:ローコスト住宅だと資産が残らない
    2. 2,500万円で建てると3,000万円に:お金をかけた家は将来資産価値が上がる
    3. 2,500万円で建てると2,500万円に:お金をかけた家は資産価値が維持できる
    4. 2,500万円で建てると2,000万円に:お金をかけた家は資産価値の減少が部分的になる
    5. 2,500万円で建てると1,000万円に:ローコスト住宅に上乗せした分ぐらいは資産価値が残る
    6. 2,500万円で建てると500万円に:ローコスト住宅に上乗せした分の一部は資産価値が残る

    どのパターンが将来資産価値がある家として一番近いシナリオでしょうか?

    ランニングコスト効果を除いて資産価値メリットだけで考えると、意味がありそうなのは2〜4までですね。
    とはいえ、2と3は右肩上がりのバブルの時代ならともかく、現実的ではない気がします。
    と考えると、4が近いかなと思うのですが、どんなつもりで皆さん考えられているでしょう?

    5は、1,500万円が失われるということでは、1と変わらないのですが、住心地や満足感などのメリットは5のほうが大きいかもしれません。ただし、1000万円が帰ってくると言っても運用利回りはゼロ、またはローンの借り入れが1000万増えるなら金利分でマイナスになります。もちろん、その金額で売れる保証もありません。

    6は、確かに建物がゼロ円になるのは防げたとしても、上乗せした金額を大幅に下回るようでは、運用商品とはみなせないですね。

    わが家の場合、ハウスメーカーや高性能住宅の価格帯がわが家の1000万円ぐらい上というイメージだったので、このように書きましたが、2500万円程度で資産価値にならないよ、なんて意見があるなら。。。

    1. 1,500万円で建てたが0円に:ローコスト住宅だと資産が残らない
    2. 4,000万円で建てると5,000万円に:お金をかけた家は将来資産価値が上がる
    3. 4,000万円で建てると4,000万円に:お金をかけた家は資産価値が維持できる
    4. 4,000万円で建てると3,000万円に:お金をかけた家は資産価値の減少が部分的になる
    5. 4,000万円で建てると2,500万円に:ローコスト住宅に上乗せした分ぐらいは資産価値が残る
    6. 4,000万円で建てると1,250万円に:ローコスト住宅に上乗せした分の一部は資産価値が残る

    とか読み替えてもらえればいいだけなので、基本的なシナリオは変わりません。

    このあたり、将来資産価値のある家って大事だよねって聞くことがあっても、どんなシナリオを前提と話されているかはっきりしない気がするんですよね。
    建築会社側の発言の意図と施主側の勝手な解釈とのギャップもあるような気がしてなりません。

    私の感覚では、2〜4じゃない限り、自分の存命中に家を換金するメリットって感じられないんですよね。
    まぁ、4,000万円で建てた方はいずれもまとまったお金は入るので、困ったときには助かりますが、家を売らないと困る資金繰りだと、かなり無理して買ったことになると思います。。。
    1と5は一見投資対効果は変わらなく見えますが、家を売らないと1000万円が回収できないので、流動性の高い他の金融商品で運用しておいたほうが融通が効くのかなぁと思いました。

    そもそも、売れる価値がある、それだけの値がつくと言っても、実際に売るのって広く深い意味でとっても難しいと思うんです。
    なので結局売らずに終わる可能性も高く、となると家の資産価値って誰のためなんだろうと思うんです。
    ずっと住み続けるなら、家がいくらになろうが関係ないんじゃないかなぁと。

    このあたりの考えの背景で書きたいことがまだあるのですが、だらだら長くなってきたので、次回以降の続きにしたいと思います。

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