メンテナンス予測と本当の家計改善効果

    奇跡のランニングコスト

    メンテナンスのお話の続きでございます。

    我が家は、住宅ローンを借りられる期間目一杯の35年間で借り入れしました。
    そのまま予定通り返済すると、完済時の年齢は77歳です。

    自分自身ももちろんですが、35年後の自宅の状況や周囲の住環境がどうなっているのか全く想像が付きません。

    何もメンテナンスしないと、こんな感じになっちゃうのでしょうか・・・
    要リフォーム

    そういえば、私が13歳の頃に新築した実家がちょうど築35年になります。
    当時は、新築の近代的な家に入居するのが嬉しくて、誇らしかったですが、かなりあちこち傷んでいますね。
    高齢な両親は、十分なリフォーム費用を準備していなかったようで、色々不便なままでもなんとか暮らしているという状況です。
    成功した芸能人のように、ポンと両親に家をプレゼントしてあげられれば良いですが、普通は難しいですよね。

    自分の家のメンテナンス計画をしっかり考えておかないと、子供にも心配や迷惑をかけてしまうかもしれません。

    そのぐらいのことを考えるのは当然?
    やはり、皆さんよく考えられていて、住宅設備の中でも「メンテナンスフリー外壁」の関心が高いようですね。

    「メンテナンスフリー外壁」が注文住宅で大人気!ところでそれってなに? | スーモジャーナル – 住まい・暮らしのニュース・コラムサイト

    【今週の住活トピック】 「2016年度戸建注文住宅の顧客実態調査」結果を報告/(一社)住宅生産団体連合会 調査結果で注目される「メンテナンスフリー外壁」 この調査は、三大都市圏と地方都市圏に注文住宅を建てた人を対象に住団…

    確かに、我が家もメンテナンスフリーが売りの総タイルの外壁材には憧れました。
    初期費用が大きいため、とても採用には至りませんでしたが、マイクロガード付きのサイディングにしたことはメンテナンス性の意味は大きかったと思います。
    我が家と同時期に建てられた近所の建売は、南面のサイディングに結構苔やすすけた汚れが目立ってきていますが、我が家は今の所、東西南北あまり汚れは目立っていません。
    ありがたい機能ですが、塗り替えた時にマイクロガード機能は失われるんですよね。
    途端に汚れやすくなるのではとかなり心配しています。

    ちなみに、All Aboutにメンテナンスしていない築37年の住宅のイメージがありました。

    2/2 メンテナンス無しだと家は、こうなる! [長期優良住宅] All About

    メンテナンスやリフォームは、住宅の機能や美観を維持するために必要なポイント。でも、メンテナンスや手入れをほとんど行わなかったら? 築70年と築37年の家をご覧に入れましょう。

    さすがに実家は、木製サッシではありませんが、かなり現在の実家の状態に近い雰囲気があります。

    できれば、こうならないように計画的にメンテしていきたいところですが、前回の情報を元にして、一体どの程度メンテ費用がかかるのかを試算してみました。

    35年で約1200万円? 下手するともう一軒家が建つ!?

    早速ですが、前回のメンテナンス費用の目安を元に我が家の場合のメンテナンス予測を立ててみました。

    メンテナンス費試算5

    なんとなく、30年後のフルリフォームに500万円程度はかかりそうというイメージはありましたが、35年通算すると約1200円程度にもなることがわかりました。
    これ、ローコストな家ならもうちょっとで新築が1軒建っちゃう価格ですよね。

    住宅ローンを完済すれば自分の家になるというイメージがありますが、36年目以降に快適に暮らせる家が残るためには、この見えない費用が追加で必要なようです。

    実際に一戸建てのフルリフォーム事例を見てみると、500万円台〜1700万円程度と様々ですが、贅沢しないリフォームでも700万円程度というのは、ギリギリかなぁと思います。
    結構1000万円以上かけている方も多いようですし・・・・

    何がどの程度かかると考えたか

    我が家は既に5年を経過したのですが、実際にシロアリ防除に9万円程度かかりました。あと、メンテナンスとは異なりますが、5年ごとに更新がある地震保険の費用も計上しておきました。

    近い将来の10年目は

    • バルコニー防水:トップコート塗り替え
    • 外部建具:電動シャッター修理
    • 内装・内部建具:未定ですが念の為計上
    • 太陽光パワコン:交換修理
    • エコキュート:交換修理

    という感じです。

    15年目には、外壁と屋根の修理をセットで考えます。足場を組むので同時が良いらしいですね。

    • 外壁:サイディングの塗り替え
    • 屋根:塗り替え(ただし太陽光がある場合どうなるのだろう?)

    外壁や屋根塗り替えの広告を見ていると、もっと安くても出来そうな金額を見かけますが、一応前回の資料を参考にこのぐらいの金額を計上しました。
    我が家はマイクロガードのおかげで、結構汚れにくいのは気に入っているのですが、同じような機能を維持しようとすると、かなり高くなるのでしょうかねぇ。

    20年目は、10年目に近いサイクルですね。
    なぜか、25年目があまりかからない想定なのがホントかな?って感じですが、10年目以降は100万円単位の費用が5年毎にかかると考えておいたほうがよさそうです。

    そして30年後にドーンとフルリフォームした場合の費用が乗っています。
    住設系はリフォームパック系のプランを探せば、もっと安いものがありそうですが、とりあえずざっくり計上しました。
    内装や建具は、傷み方によってはもっと掛かる可能性も高そうです。
    あくまで、このくらい確保しておけばやりくりできるかなという感じですね。

    月あたりの負担を考える2つの考え方

    まず、費用が発生する時期から逆算して、どの程度積み立てないといけないかを個別に計算して積み上げてみました。
    そうすると、5年目までは4.93万円/月、25〜30年目までは2.07万円/月と時期によって積み立てるべき金額に大きな差がでます。計画的なメンテナンスをしようとすると、初期のほうがたくさん積み立てておくほうがいいようです。

    実際は、36年目以降のメンテナンス費用もかかるので永遠に積み上げないといけないのですが、

    • 今回はあくまで住宅ローンの完済までの期間で考えること
    • 36年目以降は、住宅ローンの支払い減と相殺できること

    も踏まえて考えませんでした。年齢的にも永遠にメンテナンス費用を積み立てる必要性も考えられませんしね。

    現役時代の収入があるうちに積み立てておくという観点でも上記の考え方が良いと思うのですが、月額あたりの平均的負担感を見るために全体費用の均等割も計算してみました。

    約3.35万円/月というのが、メンテナンス費用の月あたり負担のようです。
    ちなみに、マンションなどでも修繕積立金というのがありますが、あの費用では内装や住設の刷新までは含まれないはずなので、今回の試算と単純比較は出来ないと思います。

    ハナから建て替えるつもりの場合は?

    やっぱり、フルリフォーム含めて1200万円もかかると考えると建て替えたほうがオトクなのではという考えも頭をよぎります。実際、築35年の実家も外装・内装含めて大きなリフォームはまだしていませんが、なんとか暮らすことは出来ているんですよね。
    ちなみに、賃貸中の奈良の建売も10年前に壁紙や畳などのリフォームで20万円程度かかった以来、特にメンテナンスの費用はかかっていません。本来外壁や屋根の修理も考えるべき時期ですが、投資対効果も含めていつどうするかと思いつつ、入居者さんが続いているので様子をうかがっているところです。

    そんな体験も踏まえて、30年後に建て替えを想定した最低限のメンテナンス費用を試算してみました。
    メンテナンス費試算_格安版3
    エコキュートや電動シャッターなど、使えなくなると困るものの費用は残してあります。

    メンテナンス費用は357万円となりましたが、平屋建てなど減築したローコストな建て替えで考えても
    +解体100万円
    +建築&諸経費1500万円
    ぐらいは最低限かかるでしょう。(時代の状況によって、厳しいかな?)

    357+100+1500=1957万円
    1957-1204(35年メンテナンス相当)=753万円

    と750万円以上追加となるので、安易に建て替え前提と考えるのは難しいようです。
    あと、30年目だと、まだ残債が5年分残ってますしね。

    もっと絞って、20年後ぐらいをリミットにしたメンテナンス費用を考えてみました。
    メンテナンス費試算_格安20年板
    木造住宅は、20年後には無価値になるということなので、あくまで消耗品と割り切った考えです。

    この場合、メンテナンスコストが177万円まで下がりました。
    なんとか20年目に給湯器が動くところまでだましだまし使いつつ建て替えたとして・・・

    177+100+1500=1777万円
    1777-1204(35年メンテナンス相当)=573万円

    と、差額573万円まで圧縮されました。
    しかし、20年目では住宅ローンが約15年分も残っています。
    おまけに、リフォーム費用の1204万円と相殺すると言っても、これは30年かけて貯金する前提でした。
    これを10年圧縮して貯金しつつ、追加で600万近く用意する必要があるので、更にハードルが高い。

    新築から20年後というと、私は62歳ですが、定年退職後に建て替えた新居に住むという方法もあるかもとちょっと考えましたが、甘くないですねー。

    折角気に入って済んでいる我が家です。
    ちゃんと、メンテナンス費用をかけて長く住めるようにすることが大事だとわかりました。

    家計改善効果の見直し

    以前、我が家が新築後に4〜5万円の家計収支の改善効果が出ていると書きました。しかし、今回のメンテナンスコストのことが一切含まれていないことに気が付きました。賃貸住宅での収支と比較するには、メンテナンス費用を含めないといけなかったですね。

    [イエマガ補足版]家計はどのように改善されたのか? – イエマガ

    先週お伝えしたイエマガの連載ですが、既に二回目の原稿は提出しておりまして、三回目の原稿に取り掛かっております。あらためて、自分の過去記事を読み返していますと、こんなことを書いてたのかと忘れていることも多々あり・・・(汗)何をどう書くか試行錯誤の毎日という感じでございます。さて、連載第一弾は、「2軒目の家は建てられるか? 〜二重住宅ローンとわが家の資金計画〜」という、いきなりニッチなケースでお送りしまし…

    鬼の首を取ったように喜んで恥ずかしい・・・

    ということで、今回のメンテナンスコストの月額均等割を当てはめて試算してみました。
    家計改善効果修正版4
    あと、現状のローンは自己資金分で前払いしている分が含まれていないので、こちらも計上しています。
    当然ながら自己資金を全額ローンに含めた試算と金額がほとんど変わらなくなりました。
    ただ、賃貸では、新しい家に住み替えるという方法があるとはいえ、同じ家賃を払い続けていても内装や設備をリフォームしてくれるとは限らないので、単純比較は難しいところですが。

    太陽光効果でプラス効果が出ていると思っていたのですが、それを除くとほとんど変わらなかったですね。我が家の家計では、ローコストにこだわっておいて本当に良かったなと思います。

    こつこつ将来のためのメンテナンス費用を置いておかねば。

    とはいえ、払いきれば土地含めて、自分のものになるという点は、一切経済効果として考慮出来ていません。
    住心地や精神的な充実感も含めると、金銭的なものだけではマイホームの価値は比べられないなぁと思います。

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