良い造り手と住まい手をつなぐ、見えるものと見えないもの

    コストダウン

    前回、後味の悪いコストアップを防ぐには書面を残すのがおすすめというごく当たり前のことを書いた続きでございます。

    前回の最後に、この書面は権利を行使するためだけではないと書いたのですが、では、一体なんだというのでしょうか?

    ちょっと、うまい例えがないか考えてみたのですが、二人三脚のロープが思い浮かびました。
    二人三脚

    • 縛っていても、双方の呼吸や気持ちが合わないと足並みは揃わない
    • 実は、意外に「遊び」がある
    • 相手の気持ちが伝わってくる
    • 一度リズムが狂って焦るとなかなか修正がきかない
    • 揉める、わだかまりが残る(笑)

    なんだか、注文住宅の家づくりに通じるところがないでしょうか?(汗)

    出会って間もない人々同士が、人生をかけた何千万もの家づくりという一大事業に一緒に取り組むのですから、ある意味大博打ですよね。経験上、仕事で、新しい取引先にはじめてお仕事をお願いするときなんかでも、よくても数百万からお試しでというケースが多いです。そう考えてみると、注文住宅の家づくりのときの感覚って、ある意味かなり狂ってませんか?(苦笑)。

    まぁ、だからこそ、できるだけ書面で自己防衛という意味も、もちろんあります。
    でも、実は、この書面は良い造り手と住まい手をつなぎ合わせるロープのような役割として大切にしながら、双方が”遊び”を持った扱いができることも良い家づくりに繋がるのでは、と思った経験を書いてみようと思います。

    書類は残すだけでなく、書いてある意味を理解しておくべし

    我が家が最初に書類に書いてあることを見て、青ざめたエピソードです。最新のイエマガの更新でも取り上げたばかりですが、仕様書に書いてある出隅仕様の意味をちゃんと理解して契約していませんでした。外壁材選びに行ったニチハのショールームで、希望の仕様と異なることに気がついたのですが、結果的には、アコルデの社長の神対応で希望の仕様に増額なく変更してもらうことが出来ました。

    これは、かなり焦ったのですが、仕様書の通りで変更出来ないと言われても仕方ない状況でした。
    誰かのせいにしたり、ゴネたりできる可能性が絶たれていましたので、変にアコルデと駆け引きしようという気持ちが起こらなかったのが、結果的によかったのかなと思います。

    もし仕様書に明記されていなかったら、私は同質出隅(短尺出隅)が当たり前と完全に考えていました。
    アコルデ仕様長尺出隅
    選択する段階で、のっぺらぼうになる「長尺出隅」と言われたら、「なぜ、事前に説明してくれないのですか?」と不満をぶつけることになったかもしれません。でも、そんなやりとりになったら、アコルデの神対応はなかった気がします。

    少なくとも、アコルデにとって、これは盾に取るものではなかったようです。

    長は短を兼ねないサイディング出隅材 – 建築プラン

    ちょっと遠いので気合いが必要なのですが、4月30日に、ニチハの東京ショールームに見学に行ってきました。注文住宅の壁事前に電話連絡してみたのですが、特に予約は必要ないという事です。一般的にハウスメーカーや工務店に置いてあるサンプルよりも、大きなサンプルが置いてあります。我が家は、ニチハ モエンエクセラード 16mm厚 Vシリーズを採用しています。当時は、確かミラージュタイルVとファンゴVというのはなかったので…

    いつもは付かないはずのバルコニー手すり

    次は仕様書の記述のままで助かったのは、バルコニーの手すりです。当時アコルデでは、バルコニーに手すりを付けないのが標準仕様だったのですが、我が家の場合他社との比較で手すり付きと明記してもらっていました。もし書いていなかったら、追加で8〜10万円かかるところだったのですが、無事費用は増えずに済みました。でも、担当の方が首をかしげていた様子と、出隅の件など色々サービスしてもらっていた後なので、鬼の首を取ったように「書いてあるでしょ」という態度にならないよう気をつけました。

    正直、きちんと回答をもらえるまでドキドキではありましたが、公式の書類に書いてあれば、それ以上ネジ込むような言葉は必要ないんですよね。

    まだまだ一緒に二人三脚で走らないといけない相手に、関係がこじれたりしかねないやりとりを、残っていた書類が防いでくれたと思っています。

    外観重視派なら、バルコニーは手すりなし – 建築プラン

    確か、清水畑さんとサッシの色を確認していた時だと思います。WEB内覧会*外観我が家は、色はシャイングレーにすると決めていたので、あっさり決まったのですが、アコルデの標準仕様ではバルコニーに手すりが付かないんだとか・・・え?(汗)何やら最近では、外観をスッキリかっこ良く見せるために手すりを付けない施主さんも多いらしく、標準では付けてないそうです。確かに他のハウスメーカーでも、標準で付けない所もあるよう…

    バルコニーの転落防止と手すりの高さの関係 – 建築プラン

    8〜10万ものオプションとなると予算へのインパクトが大きすぎて心配していた、手すりが標準仕様に入っているかどうか?の話しです。早速、清水畑さんから回答がありました。ゴクリ・・・・「標準内で施工させていただきます!」ワーイ!ありがとうございます(人´∀`)ということで、手すりで布団を干したい我が家の心配はとりあえず解消されました。ホッとしたところに、鈴木さんが、バルコニーの手すりのことで補足で説明をしてくれ…

    本当は若干違った外壁の貼り分け位置

    実は、今まで書いたことはなかったと思いますが、我が家の外壁の貼り分け位置は、当初の想定から少しずれていた部分がありました。正直、これに気がついたときは、とてもショックで悩みました。当然図面でも正しい貼り分け位置を確認できるので、現場監督にも念の為確認はしてみました。
    単純に間違ったのではなく、きちんと意味があっての貼り分け位置になっているのは理解したのですが、その説明を受けて納得するステップがなかったのが残念でした。
    おそらく、アコルデのことですから、図面との微妙な違いを指摘すれば、当初の予定どおりにやり直してくれたはずだと思います。でも、ほとんど貼り終わっている状況、もし貼り替えたら相当の二度手間と処分するサイディングがかなり無駄になることを考えて、このままで仕方ないと飲み込むことにしました。
    正直、ここまでで、色々イレギュラーな対応や神対応を多数受けていましたので、とても図面を盾にやり直しをお願いする気になれなかったのです。

    しかも、このサイディング貼り、大型台風が来ることに備えて、当初の予定より急きょ前倒しして頑張って貼ってくれたこともあったので、余計に貼り直しなんて言えません。近所でほぼ同時に立てていたお家は、外壁貼りが間に合わず台風で防水シートがベロベロに剥がれてしまっていたので、アコルデの機転の効く対応には感謝するしかありませんでした。

    ちなみに今では、貼り分け位置のズレは全く気になっていません(笑)。こだわりって、そんなもんなんですかね(汗)

    とはいえ、これは工務店の事情を考慮して泣き寝入りしましょうとお勧めする意図では決してございません。

    [着工50日目] 貼り分けのケルンストーンとロックウールの施工 – 上棟〜木工事

    着工50日目のフォトレポートです。なんと!貼り分けのケルンストーンが!!!ジャーン♪台風直後は、まだ貼り分けのサイディングは付いていなかったのですが、とうとう家の外観が見えてきました。ちょっと近寄って・・・うん、なかなか良い色合い♪ さらに・・・玄関部分の貼り分けも自然で良いです♪こちらは、コルモストーン調V フォンドMGシュガーです。全面に貼られると、予想以上にいい感じの陰影です。やっぱ…

    隠し部屋を使いたいというお願いは予想以上に大変なことだった

    我が家の建築中のミラクルの一つが、小屋裏収納に予定外の1畳のスペースがことです。こちらとしては、偶然出来たスペースを使えるように空けておいてもらうだけで、最悪仕上げもいらないとお願いしたつもりなので大きな負担はかけないと思っていたのですが、甘い考えとあとで分かります。

    実は建築確認時の図面からの修正申請が必要になってしまい、事務処理上の手間までかけてしまったようなのです。
    少し考えればわかることなんですが、これを黙ってさり気なくしかも無償でやってしまうアコルデに脱帽でした。

    こちらが軽微な変更説明書という書類です。我が家が気軽にお願いしたことが、こんな書類を出してもらうことになっていたとは・・・
    軽微な変更説明書IMG_5706

    小屋裏収納は、元々こんな形状だったのですが・・・
    変更前図面IMG_5710

    右上部分に一畳追加になったことが、しっかり図面にも反映されました。
    変更後図面IMG_5707
    ※そう言えば、この建築確認のような法的に提出すべき書類は、今回の私の語る書面の意味の捉えかたより、もっと厳粛な意味があるので、混同はしてはいけませんね。

    この対応をしていただけたことで、外壁の貼り分けの少しの違いを鬼の首を取ったように文句を言わなくてよかったと心から思いました。これも、アコルデが図面を盾に取るつもりをしていたら、絶対起こることがないことだったと思います。

    でも、逆に図面であり書類が残っているからこそ、”造り手”がもっとより良いものづくりで”住まい手”に応えたいという気持ちになるのではないでしょうか。決して”住まい手”が、やってもらって当たり前と思っていると、そうはならない気がするんです。

    これらが、二人三脚の相手のリズムと合わせることだったりロープの”遊び”による柔軟性に似ていると思った理由です。

    前回書いた「書類を残す」ことは、このロープのように造り手と住まい手の創造的な協働作業をつなぐためにあるんじゃないかなと思ったわけです。

    [着工71日目その4] こんな所に隠し部屋がぁ! – 上棟〜木工事

    着工71日目、最後のフォトレポは、たった一枚の写真です。しかし、これが超ミラクルな発見だったのです・・・これが、その写真・・・・全然、ミラクルっぽい写真じゃないですね(笑)少しわかりにくいのですが、向かって左側は完全に壁で閉じられることになり、手前も間柱があるので壁になります。一応、ちゃんとアクアフォームの壁面と剛床が貼ってある一畳ぐらいの空間なのですが、なぜかどこからも出入り口のないスペースになって…

    【Web内覧会】階段登れば小屋ウララ♪ [おっ!引き渡し その9] – Web内覧会 引き渡し

    ブログでは、お引き渡しの様子を紹介しておりますが、以前から読んでいただいている方はご存知の通り、既に1年以上前に入居しております。年末を控えて、この金、土と徹底大掃除を敢行しました。(金曜は、会社は都合により非番にしましたw)お引渡しのブログを書いていて、なんとなくちゃんとお掃除しないとと思ってしまいました(笑)いゃあ、15ヶ月目ともなると相当ホコリが細かいところに溜まっていますねぇ。特に窓枠や巾木などち…

    とまぁ、随分綺麗事を書きました(汗)が、我が家に都合のよい結果ばかりでしたので、やっぱり「アコルデ、半端ないって!」ってことなんだろうなと思います。

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