現調前に既に決まっていた売却査定額

    奇跡のマイホーム奈良編

    奈良の家が空き家になってしまった問題の続きです。

    前回までは、築25年の奈良の建売の様子をご紹介しました。

    ご紹介した写真は、昨年の9月の頭に約2日間奈良に滞在して撮った写真なのですが、もう一つの目的は地元の不動産会社に売却の査定を依頼することでした。

    この時点では、売却か再度賃貸に出すかの方針は確定していなかったのですが、どのくらいの売却価格になるのか確認した上で方針を決めたいと思います。

    そこで、事前にネット経由で問い合わせていた5社と、管理をお願いしていた賃貸業者の6社と会う強行軍となったのですが、その結果をご紹介します。

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    査定ってこんな風景のイメージだったんですよね….@まぽさんによる写真ACからの画像

    物件情報おさらい

    あらためて今回査定を依頼する奈良の建売物件の情報です。

    ■物件情報:連棟戸建2階建、駐車場一台、プロパン給湯
    ■間取:4DK 一階(8帖DK、6帖和室)、二階(洋室6帖✕3)
    ■築年月:1996年7月
    ■購入価格:2900万円
    ■賃貸期間:2008年11月~2021年8月末→同一の借家人との契約
    ■現在家賃:78,000円/月
    ■土地面積:76.48m2
    ■家の面積:82.1m2
    ■築年数:25年

    以前このブログでもご紹介した通り、テラスハウスとも言われる連棟戸建物件です。

    これって、一戸建てのようで一戸建てではないような・・・

    奈良の家のエピソードの続きです。前回、ニシオカから紹介された物件の間取りにおかしなところがあると書きました。その秘密は、一体何だったのでしょう?実は前回の間取りは完全なものではなかったのです。こちらが、本当の間取りの全貌です。三世帯住宅!ではありませんよ!(笑)我が家が紹介された物件は、左端になるのですが、実は三棟がなぜか一つになった物件だったのです。しかも、全部つながっているのではなく、二階の一…

    購入当時の不動産屋(ニシオカ)には、「ローンが支払い終わって、お隣さんと合意できれば切り離すことも出来ますよ」と、当時説明を受けていたのですが、そんなことをしてしまうと接道を満たさない違法建築になってしまうので、随分いい加減な説明でした。

    さらに切り離すことが出来ないということは、再建築出来ないので、著しく不動産の評価が低くなります。
    当時は、住み替えすることは全くイメージしていなかったので、説明されてもピンとこなかったかもしれませんが….

    という前提で、この物件にどのような価格が付くのでしょうか…?

    連棟戸建ての厳しい現実を突きつけるネット問い合わせの一時回答

    なるべく、査定がスムーズに進むよう事前に図面も含めて詳細な情報を不動産屋に送っておいたのですが、驚かれたのは7.8万円の家賃で13年も借りてもらえていたことです。

    同等条件だと、5.8〜6万円ぐらいが家賃相場らしく、この家賃相場から逆算すると、収益目的での購入者には500万円前後の値付けになるだろうという見立てが、ほぼどの会社も共通した回答でした。

    これは、今流行の格安築古戸建を収益買うことも考えたことがある目線から見るとよく理解できます。

    一方で、一般の買って住んでくれる方向けで見た場合ですが、状態によっては、880〜980万円ぐらいもありうるという回答もありました。

    築25年とはいえ、めちゃめちゃ運がよくても、これが上限の条件のようです。購入時2900万円の家が、この金額とはトホホですが、仕方ありませんね。

    しかし、この一般への売買もかなり実際は厳しいようです。
    というのも、連棟戸建ての場合、中古の購入時にまずローンが付かないそうです。

    問い合わせした中でも一社は、まず賃貸に出して借り手が付いてから連絡をくれたほうがよいとのアドバイスもありました。
    借り手が付いていたほうがオーナーチェンジで、収益目的の購入者にも高く売れる値付けがしやすいそうです。

    しかし、賃貸に出すにも、今回はそれなりにリフォームしないと借り手は付かないでしょうからね。

    なかなか現実が厳しいことを痛感します。

    現調は、大きな問題がないかをざっと確認している程度の目的?

    なんとなく、この現実は現調した後も、条件が悪くなることはあっても、大きく良くなることはないだろうと思ってはいましたが、残念ながらその読みどおりになりました。

    各社の回答はこんな感じです。
    3007~55077m

    買取専門業者のD社以外は、現調その場での即答で、E社とF社は、印刷済みの査定金額を持ってきていたので、見る前に査定金額は決まっていたようです。

    査定というイメージから、かなり細かい設備のチェックなどを一つひとつ確認していくのかなと思っていたのですが、ほとんどがざっくり眺めていくだけでした。雨漏りなど、大きな問題がないかを確かめる程度だったように感じます。

    床下や外回りなども細かく見ていたのは、買取専門業者ぐらいです。

    A社の600万円の回答は、現調で金額が付いたというより、事前にこの金額で買取してくれるお客さんがいるような口ぶりでした。

    C社は、ネット問い合わせ時の上限価格の880万円で提示してくれたのですが、収益物件じゃないと売れないという意見が多い他社と異なり、一般向けでも十分に売れる可能性があると考えてくれたようです。
    確かに住宅ローンはつきにくいのですが、1000万円までであれば、無担保の住宅ローンやリフォームローンを使える場合もあるようです。

    たしかに、近畿ろうきんや、大阪信用金庫などでも扱いがあります。

    E社の場合、査定額は504万円と低いですが、この会社はリフォームして販売する営業スタイルのため、リフォーム費も含めてやはり無担保ローンで1000万以内におさまるぐらいの想定をしているようです。

    ただ、いずれも査定額は、このぐらいで売れるのではという、あくまで目安でしかなく、最終的に売出し価格を決めるのは売り主である私次第とのこと。

    当時、奈良の建売のローン残高が約500万円だったのですが、ローンと相殺して、どのくらいの手残りになるかをC社が2通り試算してくれました。
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    600万円で売っても、かろうじて70万円ほど手残りがある程度のようです。約14年ほど、毎年30万円以上の持ち出しとなるローンの返済をしてきたことを考えると、なんとしても880万円で買い手が見つかってほしいところですが、おそらく厳しい戦いになるでしょうね。

    さらに続きます。

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