外壁の汚れは塗装の性能だけの問題ではない?

    外観

    我が家の近くには、当時一時期真剣に購入を悩んだ建売住宅がありまして、生活動線上にあるのでよく見かけます。

    竣工時期は、我が家よりも一年ほど早いぐらいなのですが、日が当たらないためか最近北側に面するサイディングの外壁の苔がとても目立ってきました。並んで建つ二軒が共に同じような汚れが出ているので、メンテナンスや生活習慣の違いなどは、あまり関係なさそうです。

    最近では、建売住宅によく採用される14mmのサイディングにもマイクロガードなどの防汚機能が標準になっているのが普通のようですが、当時はまだ付いていないのが普通でした。

    やはり防汚機能がないと、こうなるんだと思ったのですが、最近実は外壁の汚れはそう単純ではなさそうであることを知りましたので、ご紹介したいと思います。

    (えっ、そんなん常識でしょって、内容でしたらすみません…汗)

    外壁_サイディング_汚れ
    確かに汚れているのは外側なのに内側に問題があるなんて信じられる!?

    我が家の北側の外壁はどないやねん

    我が家は、16mmのマイクロガード付きのニチハのモエンエクセラードを採用しました。当時は、とにかく金具施工で陰影がカッコいい16mmのサイディングを採用することに執着していました。
    一方、マイクロガードの防汚機能が付いていることは知っていましたが、かなり感心が低かったように思います。
    そもそも、予算的に塗装の機能にこだわる余裕はなかったので、付いているだけで御の字という感じでしたからね・・・

    ただ、予算だけの問題ではなく、根本的に外壁に苔が生えたり汚れたりすることに、無頓着すぎることに後ほど実感させられる機会がありました。

    それは、同じアコルデで立てられたブロガーのkodatenokisekiさんに、「日が当たりにくい場所は汚れやコケなどが目立たないように濃い色にしている」という工夫を聞いたときです。

    さらに、我が家も偶然、北側の外壁は濃い目の配色にしているので、「コケ対策ですよね?」と聞かれたのですが、全くその発想がなかったため、自分の無知を思い知らされたというわけです。

    そんな、我が家の北側の壁の様子ですが、現在こんな状態です。

    IMG_7457-2_20190923外観
    [約7年と1ヶ月の北側の外壁でございます]

    現在、丸7年を経過したばかりの状態ですが、幸いコケが目立つような症状はありません。
    西側に建売が建って以来、西側からの日差しや風通しも悪くなったので心配だったのですが、これはやはりマイクロガードの効能が大きいのでしょうね。逆に、将来の塗替え時にも機能性塗料を選んでおくべきだろうなぁ、でも塗装が高くなりそうだなぁと先の心配をしてしまうぐらいです。

    しかし、我が家の外壁と近所の建売の汚れの違いは、必ずしも外壁の塗装の違いだけではないのではと感じる画像と記事を見つけてしまったのです。

    壁内の湿気がカビを呼ぶ?

    カビが発生するのは湿気が多いところというのは誰でも知っていることでしたが、私は壁の外側で起きていることばかりと考えていました。

    しかし、こちらを見てください・・・

    外壁汚れ_筋交いのあと

    壁内の?湿気?カビは‥長期優良が短期不良の恐れ 茨城・都内近郊で外断熱の注文住宅なら「いい家」を建てる吉建ホーム

    壁内の?湿気?カビは‥長期優良が短期不良の恐れ 茨城・都内近郊で高気密高断熱の注文住宅を建てる吉建ホームです。健康増進に役立つ、空気がきれいな「涼温な家」を建てています。「いい家」をつくる会の会員である当社にお任せください。

    なんと、壁内で発生した結露などの湿気の影響で、このような外壁面の汚れ方が起きるようなのです。
    とても興味深いことに柱や筋交いの位置はカビがないんですよね。おそらく、この建物は外壁通気構法を採用しておらず、サイディングと柱や筋交いがぴったりくっついているのだと思います。
    まさか、このように壁内の構造や、それに起因する結露が外壁の汚れに影響するとは全くしりませんでした。

    しかも、前述の建売ですが、確か仕様面では外壁通気工法を採用しているメーカーのハズなのですが、汚れ方がこの写真ととても似ているんですよね。これは、外壁通気による湿気の排出がうまくいっていない可能性があるということでしょうか?
    ところが、この記事では、外壁通気工法を採用していても「機械換気」でなければ壁内通気は難しいと言っています。
    我が家もマイクロガードに助けられているだけであって、壁内の通気に問題がないと断言できないような気もしてきました。

    とはいえ、仕様上、外壁通気工法をうたっていても、同縁の取り付け方の間違いで空気の流れを遮断してしまうこともあるそうなので、建築時にこのあたりをよくチェックしておく意味はありそうですね。

    外壁を汚したくなければ45度傾ける?

    ところで、先程引用した記事の外壁の汚れの写真、他の記事でも使われていました。よほど有名な画像なんでしょうか。

    外壁汚れ_筋交いのあと2

    南向きの家は建てるな!

    天気がいいなぁと思って外に出たら風が冷たくってこういう日は縁側で日向ぼっこがグッドいずもありがとう上代工務店ジョウダイです。さて今回からしばらくシリーズ【建築のプロも知らない常識と非常識】と題しましてコラ…

    こちらでも、やはり壁の構造がちゃんとしていないと、壁の内部が結露して外壁を湿らせカビや藻の原因になると言われています。
    特にやってしまいそうなのが、この状態で塗装業者さんに「塗り替えませんか?」と言われると、今度こそと考えてより高級な塗料で塗り替えてしまうことです。

    本当に、内部結露が原因だとすると、何度塗り替えても同じ模様の汚れが出てくるそうなので、これでは踏んだり蹴ったりですよね。もちろん、壁内の結露が起きないようにすることも重要な前提なのですが、この記事を書かれたプロの意見も面白いので是非ご覧ください。

    要約すると、
    「真南向きの家は実は一番日当たりが悪い」
    「それを防ぐには、45度傾けた家にするのが良い」
    ということらしいです。

    我が家は、土地に沿って建てるしかなかったのですが、真南向きに建てるのがもちろん当然だと考えていました。
    しかし、その一方で全く日があたらない北側ができてしまうことになるというのもそのとおりですね。

    実は、外壁の汚れは壁内の構造や建物の向きにも関係しているんですね。

    うーん。奥が深いなぁ。

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