唐突ですが、私は特定のスポーツチームを応援する習慣がありません。
さすがに、子どもの運動会や出身校が甲子園に出場したときなどは燃えましたが、あまりスポーツチームの応援に感情移入ができないんですよね。
自分は、ちょっとおかしな感覚を持っているのかなと悩んだこともあるのですが、以前とある企業の社長が、「成功したかったら、他人を応援している場合じゃありません」と言っていたことが、刺さって気が楽になりました。
なぜ、こんなことを書くかというと、最近「住宅を長期に活用する社会のために、100年住み継ぐ家を建てよう」みたいな流行りのメッセージに、まったく気持ちがついて行けてないからです。
やっぱり、自分は社会不適合な神経の持ち主なのかなと思ったりしていたのですが、すごく自分の考え方にピッタリな記事に出会って、またとても気持ちが楽になりました。
ということで、今回は、住み継ぐ家に対するもやもやを書いたあとに、納得の記事のご紹介します。
住み継がれない原因は本当にソコですか?
最近では100年住宅どころか、200年住宅という言葉まであるようですね。
住宅業界から発信される住み継ぐ家とは、住宅のハード面における耐久性や高性能化、維持管理の容易性などを向上させることで、長く「住み継ぐことができる家」のことを主に指しているようです。
一方で、度々ニュースにも取り上げられる空き家問題ですが、これを耐久性や性能の向上で解決できるのでしょうか?

以前、不動産業者に「個性的な間取りや仕様の注文住宅よりも、万人受けする建売住宅のほうが中古で売りやすい」と聞いたことがあります。
世界に比べて、日本の住宅の寿命が問題視される一方で、海外の住宅はそもそも主に規格化された間取りの建売住宅がほとんどだそうです。本気で、住み継がれる家や文化を根付かせるつもりなら、そこまで真似する必要があると思うのですが、日本独特の注文住宅文化に支えられた住宅メーカーが発信していることに疑問を感じてしまいます。
とはいえ、狭い土地をギリギリまで切り刻んで、新築プレミアムでかろうじて売れる建売分譲というスタイルのままでは遠そうですけどね。
自分は建てて子どもには建てさせないの?
家を建てたり購入したことで、金銭感覚が狂って気が大きくなって高額なオプションや家具をつい購入してしまったり、周囲に自慢してしまったりすることを「新築ハイ」とか「マイホームハイ」とか言うそうです。
私も、もちろん少なからず心当たりがありますので、後から振り返ると穴があったら入りたいほど恥ずかしい一方で、本当に楽しく充実した思い出でもあります(だからこそ、長年家ブログを続けているわけですし)。
それだけ楽しんでおいて、自分の子どもには、住まいを建てることも選ぶこともさせずに「住み継ぎなさい」というのでしょうか? 子どもが必要としなければ、他人に売って住んでもらう選択肢もあるのかもしれませんが、どちらにしても建てる側のエゴ成分が多いのではと思ってしまいます。
ましてや、素人の要望を詰め込んだ個別最適の注文住宅を万人に住み継いでもらうために建てるというのは、本当に成り立つのでしょうか?
今の価値観で、数十年後の未来に住みたいと思ってもらえる家を考えられるとは到底思えません。
自分の子ども含めて、押し付けられる世代にとっては、ありがた迷惑と感じられる可能性があります。
将来、誰も住まない100年住宅が将来残りまくるということにはならないでしょうか?
そんな先の想像できない未来や、次に住む方々を応援している場合ではないのでは?というのが冒頭の話と繋がるというわけです。
注文住宅は、施主のマイホームハイを煽ってこそ成り立つビジネスモデルと考えると、「住み継ぐ家」は、お金をかける大義名分として、とっても便利なキャッチフレーズなんだろうなと思ってしまうのです。
終の住処を60代で建てるという選択肢
注文住宅での家づくりは、一生に一度のイベントとして、とにかく悔いのないように夢を詰め込みたいと考えがちです。しかし、30代や下手すると20代の価値観で建てた家に、本当に生涯住み続けることができるでしょうか。
これは、建物のハードとしての機能や性能の話だけではなく、間取りや立地条件、家族をとりまく環境の変化なども影響します。
今回、目に止まった記事では、まさにそのあたりに触れられており、30〜60歳までの家と、60〜90歳までを住み分けて、60代に家を建ててはどうかと書かれています。
最近は建材費も人件費も上昇傾向にあるが、予算的には1000万円代後半で十分可能なプロジェクトだという(延床面積80平米程度)。
実は賃貸に住む建築家が多い理由…プロがこっそり教える「住宅会社が絶対に言わない”住まい”の真実」
アコルデの建物が、約32坪で2000〜2300万円ということなので、80平米であれば、なんとか2000万円を切れるかも。トゥルーライフなら、もう少し安いはずなので、確かにこの記事で書かれている1000万円後半で60代の夫婦が住めるコンパクトな建物は建てられそうです。
土地に余裕があれば、建て替えで建物が小さくなる分、余裕のある庭を楽しめるかもしれません。

これは、憧れますね。このような可能性を考えると、長持ちする家を次世代に残してこそ正義とばかりは言い切れないのではないかと思うのです。
サスティナビリティが・・・とは言いますが、誰も住まない空き家が量産されるぐらいだったら、適度に新陳代謝がされる方が町並みや治安の維持や、何より今暮らしている方々のためにも良いですよね。
だからこそ、このような住宅業界の昨今のブームや、そこから出てくるメッセージは…
家を建てるという行為は、「一生に一度の大きな買い物」といわれる。だから工務店もハウスメーカーも、「良い材料を使って長持ちする良い家を建てましょう」と施主を力強く後押しする。住宅の質的向上と販売価格の向上をともに目指すのである。
実は賃貸に住む建築家が多い理由…プロがこっそり教える「住宅会社が絶対に言わない”住まい”の真実」
売り手側の思惑や都合が色濃く出ていると感じます。
まさに、100年住宅や住み継ぐ家のマーケティングのブームの話をここでも書かれています。
ただし、冷静に考えると、良い材料で良い家を建てるという価値観は、今に始まったことではないので、切り口を変えて語ると、刺さるDNAが日本人には刻まれているのかもしれません。
1つは、30代あたりで建てる家の耐久性と可変性を高め、死ぬまでその家で暮らせる用意をしておくことだ。良い材料を使って良い家を建てるという従来の方針をさらに強化するかたちである。住宅会社のほぼすべてがこの方向で動いていて、人生100年時代のマーケティングはすでに相当の熱を帯びている。
もう1つはこの反対、最初から住宅にお金をかけすぎないという選択だ。30代あたりで建てる家をできるだけ安くつくれば、経済的な余力が残る。
実は賃貸に住む建築家が多い理由…プロがこっそり教える「住宅会社が絶対に言わない”住まい”の真実」
“最初から住宅にお金をかけすぎないという選択だ。30代あたりで建てる家をできるだけ安くつくれば、経済的な余力が残る。“という考え方、「ローコスト住宅」は悪というイメージで、我が家が建てた2012年以降封殺されてきたイメージを持っています。
前述の高級志向の住宅のマーケティングを推進する立場からすると、都合が悪いと思うのですが、経済的な余力を残すのは、本当に重要です。
アコルデで家を建てて、今年で12年ですが、本当に当時無理をしなくて良かったと実感しています。
余力があればこそ、選択肢が増えるのは当たり前ですよね。
リフォーム、住み替え、建て替え。どれを選ぶにせよ、経済的な余裕があれば60歳前後の段階で最適な判断を下せる可能性も高まるだろう。
実は賃貸に住む建築家が多い理由…プロがこっそり教える「住宅会社が絶対に言わない”住まい”の真実」
自分の子ども含めて、次に住み継ぐ人や社会の応援をしている場合じゃないと思います。
「住宅をローコストで建てる意義」なんて、ポジティブな言い方を久しぶりに見た気がします。
老後2000万円問題や、年金保険料納付延長、インフレ環境での実質賃金問題など、お金に敏感な方は多いと思うのですが、家に関してはお金がかかっても仕方がないとあきらめてないでしょうか。
もっと、堂々と「住宅をローコストで建てる」と言えても良いのではと考えさせられる記事でしたので、ご紹介してみましたが、皆様はどう感じられますでしょうか?
湯山さんは、住宅をローコストで建てる意義を「人生を楽しむため」と説明している。住居費の負担が少しでも軽くなれば、浮いたお金でできることの選択肢が増える。毎年海外旅行に行ってもいいし、クルマを買い替えてもいい。
子供の教育に投資してもいいし、自分が勉強してもいい。逆にいえば、住宅にお金をかけすぎて人生を楽しめていない人がたくさんいるんじゃないの? 湯山さんはそう問いかけている。
実は賃貸に住む建築家が多い理由…プロがこっそり教える「住宅会社が絶対に言わない”住まい”の真実」


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