個室グッズの話を挟んでしまいましたが、今回は「巣ごもり生活が続いて我が家に感じたいろいろ」で書いた後編になります。
感染症予防対策として、人々の物理的距離を置く「ソーシャルディスタンス(社会的距離)」が進んでますね。
カタカナのほうが使いやすい場面も多いのだと思いますが、Twitterのハッシュタグでも出回っている、 #適切な距離を取ろう の言い方のほうが明快でわかりやすいですね。
この「適切な距離」って、今回の感染症予防のためだけじゃなく、物理面・心理面のどちらでも、日常的に重要なキーワードであったことがわかります。
巣ごもり生活が続く中で、家族間での適切な距離と間取りの関係をちょっと考えてしまったので、その点を後編として書いてみようと思います。
ずっと近くにいるといろいろありませんか@Gerd AltmannによるPixabayからの画像
家族同士の距離感の取り方
気を許せる家族と言えども、あまり近い距離で長い時間過ごしているとストレスを感じることを実感する人が多いのではないでしょうか? 人にはそれぞれ他人に侵されたくない「パーソナルスペース」を持っていると言われます。男性は、前方に広く後ろや横の半径が狭い、女性は全体を見渡す特性があり、前後左右が均等と違いがあるという考え方もあるようです。
個人的には、背後に誰かに立たれるとものすごく気持ち悪いので、男性が後ろが狭いというのは個人差もあるのではと思うのですが、どうなんでしょう?
他にも具体的なパーソナルスペースの手がかりがないのかなと調べてみたら「オープンな家族空間でもひとりになるための6つの工夫」という建築事務所さんの記事に、Wikipediaの図の紹介を見つけました。
[引用: Wikipedia Personal Space.svg]
親密さの空間が0-45cm、個人的な空間が45-120cmというのが目安となりそうですね。
ブログ記事中の、椅子一つを開けて座る行為は誰にでも心当たりがあるのではないでしょうか?
その他にも、今読むととても興味深く勉強になる記事なのでおすすめです。
オープンな家族空間でもひとりになるための6つの工夫 – 小笠原正豊 建築設計事務所
家の中でひとりになりたい。 家族から距離をおいて、落ち着いた時間を過ごしたい。 でも個室に籠るのは違う。 そんな風に思っ…
もう一つ、All About の次の記事もドキッとします。
ずっと一緒に過ごしたいからこそ、精神的にも生活空間でも、家族同士が「ウザく」ならない距離をとることが大切です。そのために注意したいポイントとは?
文中から気になるフレーズを引用させていただきますと….
- 毎日顔を合わせ、共に生活をしていくのが「家族」。信頼や愛情という名の絆が、気が付けばお互いを苦しくしていることもあります。
- 「家族の絆を強くするのはマメな会話」「共通の趣味を作って、会話の機会を増やそう」などと言われます。でも、そんな努力が本当に家族をつなぐ“かすがい”になるのでしょうか?
- いつもぴったり寄り添って行動する必要はない
- 恋人時代や乳幼児期には「ゼロ」だったパーソナル・スペースも、結婚して数年たち、また子どもが成長していくにつれて、自然に広くなっていきます。
- リビングルームの椅子の配置を「ソシオフーガル」にしてみるとよい
- ソシオフーガルとは、一緒にいてもお互いを干渉し合わないよう、プライバシーに配慮した配置
- リビングにはお互いの目線が合わない位置にそれぞれがしたいことをできるコーナーを設けておけば、窮屈にならずに家族の安らぎを感じられる空間を創造できます。
家族だからといって、常に同じことをしようとか、会話を増やなければならないと考えて行動しすぎると逆に窮屈になってストレスになってしまうことは確かにあると思います。ただし、この現象は、行動の心がけだけでなく、家族が集まるリビングの家具の配置も影響することが示されています。
ところで、初めて聞いたのですが「ソシオフーガル」って初めて聞きましたが、具体的にどんなことなんでしょう?
ソシオペダルとソシオフーガル
ソシオフーガルを調べてみると、ソシオペダルという対義的言葉があり、建築の世界の方に良く知られている言葉のようです。
ソシオペダル(社会融合型):人間同士の交流を活発にする空間の配置
ソシオフーガル(社会離反型):人間同士の交流を妨げる空間の配置
という意味なのですが、これだけではピンときませんね。
たとえば、ソシオペダルとソシオフーガルの椅子の配置の違いは、こんな感じだそうです。
[引用: 日本建築学会編「生活空間の体験ワークブック − 人と人の向き合い方を観察しよう(90-91page)」]
なるほど。外に広がった扇型のベンチがあると、隣に座っている他人を意識せずに安心して座れますよね。
この椅子の配置を見ていると、家族が集まるリビングの配置は、ソシオペダル的にしなければならないと無意識に考えていたように思います。
実際の写真で見ると、例えばこんなソファやベンチの例がありました。
[引用: 日本建築学会編「生活空間の体験ワークブック − 人と人の向き合い方を観察しよう(90-91page)」]
確かにありますよね。何気なく使っていましたが、特に右側の微妙なカーブのベンチにそのような意図があったなんて、想像も付きませんでした。この程度のカーブでも効果があるのであれば、本当にちょっとした家具の配置だけで、家の中での無意識のストレスも変わるのかも。
リビングの間取りも、このようなことを意識して設計しておくと、家族がより長時間居心地の良い空間になるのかもしれませんね。
次男が和室で勉強するのを好むことと関係あるかも
前述の、小笠原正豊 建築設計事務所さんのブログ記事の冒頭に、「家の中でひとりになりたい。 家族から距離をおいて、落ち着いた時間を過ごしたい。 でも個室に籠るのは違う。」とあるのですが、そうそう、それそれと頷いてしまいました。
次男は、昔から好んでリビングで勉強して来たのですが、今はリビング隣接の和室をすっかり占領しています。
和室にいると、すぐ妻に話しかけられてしまい、気が散りそうなものですが、家族の気配を感じながら勉強するのが良いのだそうです。
配置を見ると、こんな感じになります。
左の和室が次男の勉強時の定位置で、真ん中のアームチェアに座るのが私、ソファでテレビを見るのが妻の定位置です。
たまに、確定申告など書類を広げて作業したいときは、ダイニングテーブルで作業することもあります。
パーソナルスペースの面では、十分な距離感を保てているのですが、全体的に皆同じ方向を向いているので、これだとソシオペダルな配置になるのかなぁ。
立体的に見ると、こんな感じです。
アームチェアに座っている私の位置は、背後のキッチンで妻がいるときやテレビが気になって落ち着かない場合もあり、そんなときはダイニングテーブルに座ると集中しやすくなります。
和室の次男ですが、少し距離感はあるものの、和室は真横からずっと見られている感じで、しょっちゅう妻がちょっかいを入れています。
私ならまず落ち着かないですが、よく次男はここで勉強しようと思うものです。
たとえぱ、こんな感じで扉を一部閉めておけば、家族の気配を感じながらもより集中できると思うんですけどね。
今まで、あまり必要性を考えなかったですが、家族がずっと家にいるこんなときだからこそ、パーティションが一家に一台あっても便利かもと思ってしまいました。
妻からすると、在宅勤務や勉強とはいえ、完全に閉め切った部屋に私や子供が閉じこもりっきりなのも、逆にストレスのようです。半オープン外構ならぬ、半オープン個室って感じがいいのかな。難しい。
もし、家族が罹患したらどうするか?
いきなり話の毛色が変わりますが、考えたくないけど、万一の場合避けられない話題です。人によっては、自分がかかったら、一人でホテル住まいするって意見も見たことがありますが、それってそもそも許されるのかな? すぐに入院しないかぎり、また疑いがある家族をなるべく接触を避けるようにするにはどうしたらよいかを考えてみました。
我が家の場合、二階の一番奥の長男の部屋が一番隔離スペースとして良さそうです。
偶然ですが、ちょうど、目の前にトイレと洗面台があるので、他の家族がここを使わないようにすれば、お風呂以外はここで一日中過ごせることに気が付きました。万一の場合、長男に部屋を明け渡してもらうことにします。
ただし、ネックなのが、隔離スペースの中に洗濯機が入っていることですね。
こんな事態が、今後も何度も発生することは考えたくありませんが、万一のときに独立した隔離スペースが確保できるよう、間取りも少し意識しておくという手もあるのかも・・・
ちなみに、青いラインは、私が現在左上の次男の部屋を使っているときに、トイレとの行き来を示したものです。
こちらはタンスの間など、生活スペースを横切るので隔離する部屋としては適切ではなさそうです。
ということで、すっかり取り留めのない話になってしまいましたが、今の生活環境で出来ることと、今後の住宅プランを考える方にも参考になるかもという視点でいろいろ書いてみました。
それにしても、とにかく元の生活に早く戻れるといいですね。

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