火災保険でコストダウン[あえて建物を強化する編]

    コストダウン

    コストダウンシリーズの続きです。

    だんだんコストダウンネタを探すのが難しくなって来たんですが、そもそもほとんどが、我が家がローコストで家を建てられたのは、太っ腹すぎるアコルデにお願いしたおかげなので、当然ですよね・・・(汗)

    とはいえ、自分なりに細かく工夫した点も色々まだあるはずなので、なんとか引き続き整理していきたいと思います。

    今回は、建築費そのものではなく、火災保険の価格を下げて、トータルの家づくりコストを抑えるというお話です。
    火災保険

    現在は、出来なくなってしまったのですが、私が購入した頃は、住宅ローンの期間に合わせて35年という長期での火災保険に加入することが出来ました。35年分というかなりの長期となる保険料を一括で払うわけですから、予算取りを見ると50〜60万円ぐらいを見込むように書かれている場合もよくあり、かなりのけぞった記憶があります。
    地盤改良工事費用に次いで、大きな金額ですよね。

    工務店によっては、「建築当初は、5年ぐらいの短期で加入される方もいらっしゃいますよ」と説明されることもあったのですが、結局初期費用を小さくみせて油断させるような、金銭感覚を誤解させる話で嫌だなあと内心思っていました。

    結局、紆余曲折を経て、我が家の火災保険は、35年・水災付き・地震保険5年付きで約20万円という格安価格となり、かなり資金計画上も助かっています。

    35年契約は、今ではできませんが、火災保険料を押さえた考え方は活かせる部分があると思うのですが、実際どうでしょう・・・

    今の条件で試算して金額を確かめて見る

    35年での契約が出来なくなっただけでなく、地震保険料など、保険金額の算出基準が今は随分変わっていることと思います。そこで、我が家の条件で、現在加入した場合の保険料を算出してみました。

    まず、我が家がセコムで当時加入した火災保険料は、35年・水災付き・地震保険5年付きで・・・

    203,960円

    という金額でした。

    これを同じくセコムのWebサイトで試算してみますと・・・
    今の条件で火災保険を試算

    火災保険10年:54,810円
    地震保険5年:63,070円
    合計:117,880円

    です。これって、今だと高いでしょうか?安いでしょうか?
    さらに、これを、当時の35年契約相当に換算してみると・・・

    火災保険35年:191,835円(54,810円✕3.5)
    地震保険5年:63,070円
    合計:254,905円

    となりました。
    同じ保険会社の同等条件でも約5万円ほど上がっていますね。
    当時よりかなり値上がりしたのかなぁとは思いますが、前述の10年の金額が安いと感じれば、これから書く方法はコストダウンに有効かもしれません。

    セコムしときますか? – 火災保険

    と言っても、火災保険のお話です。火災保険は、一括見積もりのサイトで受け取っていたのですが、なんとか水災を付けて20万は切れないものかともがいていました。色々、ググって情報収集していると「セコムは、代理店マージンが著しく小さいため安い」「水災付きの場合、セコムが安い」という書き込みを見つけます。既にセコムでの見積もりは受け取っていたのですが、セコム損保のホームページ「免責金額を設定すれば、保険料をもっ…

    省令準耐火構造で保険料をコストダウン

    もはや、これは定番ですかね。通常の木造住宅は、H構造という非耐火性に分類され、保険料が算出されます。鉄筋構造の場合、T構造という耐火性があると認定される分類ですと、最大で半額以下まで下がる場合もあるほど、火災保険の圧縮効果が高いと言われています。
    しかし、木造住宅でも省令準耐火構造に対応することで、T構造と認定されて同等の火災保険のコストダウンが可能なんです。

    ちなみに、当時私は省令準耐火構造を火災保険をコストダウンする手段としか思っていなかった(こら)のですが、当然ながら、きちんと目的があります(汗)

    まず・・・
    01_省令準耐火構造住宅の特徴123
    【特徴1】:外部からの延焼防止
    【特徴2】:各室防火
    【特徴3】:他室への延焼遅延

    の3つの火災への対策を狙いとするのが省令準耐火構造です。

    特徴1では・・・
    03_省令準耐火構造住宅_特徴2_各室防火
    [引用: 住宅金融支援機構 よくわかる!省令準耐火(木造軸組工法)]

    隣家の火事などの際に火をもらわないために、屋根を不燃材料にしたり外壁や軒裏を防火構造にする対応。

    特徴2では・・・
    02_省令準耐火構造住宅_特徴1_隣家から火をもらわない
    [引用: 住宅金融支援機構 よくわかる!省令準耐火(木造軸組工法)]

    火災が発生した部屋から火を出さないために壁や天井を石膏ボードにする対応。

    特徴3では・・・
    04_省令準耐火構造住宅_特徴3_他室への延焼遅延
    [引用: 住宅金融支援機構 よくわかる!省令準耐火(木造軸組工法)]

    万一部屋から火が出ても、延焼を遅らせられる対応。

    あれ?特徴1と特徴2って、省令準耐火と言わなくても、一般的な最近の住宅ならほとんど対応できてる気がしませんか?
    我が家が採用したサイディングや屋根材も元々不燃性で防火構造だった気がしますし、今どき壁を石膏ボードにしない場合ってあるんですかね?とはいえ、天井が梁表しだったり、石膏ボードとは限らない場合もあるので、徹底しているということが大事なのでしょう。

    我が家の場合、明確な追加項目だったのは一階の天井にロックウールを施工してもらったことです。これは、特徴3のファイヤーストップの対応の一つだと思います。

    ということで、実は、当時は、省令準耐火構造って、一階天井にロックウール入れればいいんでしょ?程度の認識でした・・

    しかし、同じくアコルデで建てた、一戸建てのキセキのkodatenokisekiさんの例を拝見すると、そう単純ではなかったようですね(汗)

    打ち合わせ@アコルデで省令準耐火構造採用決定 | 一戸建てのキセキ Life to Hack

    神奈川県の工務店アコルデで建てた家を中心にアウトドア好き理系会社員がライフハック技を綴るブログ。

    いずれにせよ、kodatenokisekiさんの記事にあるように省令準耐火構造にするための費用より火災保険のコストダウン効果の方が高いことを確認できれば、安心して採用できますね。この見積りは、お願いしないとやってくれない場合も多いと思うので、興味があるかたは、工務店やハウスメーカーに相談してみてはいかがでしょうか。

    同じく、アコルデで建てた相太さんも、省令準耐火構造を絶賛お勧めされています!

    木造住宅は省令準耐火構造にしないと損をする!?
    相太&鉄子の家は省令準耐火構造仕様で建てる事にしました。省令準耐火構造にするとメリットが沢山あって、デメリットが少ないのです。採用しないと勿体ないと思うんですよね。。。木造で注文住宅を建てるなら是非省令準耐火構造にすべき点を紹介したいと思い

    謎の多い、省令準耐火構造と準防火構造の関係にも触れられていますので勉強になります。

    梁現しでも省令準耐火構造は可能

    このように、コストダウンの観点では、いいことだらけのように見える省令準耐火構造ですが、ではなぜ標準的な仕様になってないんでしょうか? それは、おそらく家づくりのこだわりによっては、省令準耐火構造に対応しようとすると、思い描いたような家に出来なくなる場合がある(あった?)ようなんです。
    例えば、現しの梁や真壁の和室など、室内に構造となる木材が露出するケースが該当します。
    確かに耐火の観点では、木材が裸で露出していると、いかにも燃えやすそうですよね。

    ところが、我が家は省令準耐火構造なのに、吹き抜けの梁が現しになっています。ここで、あれっと思うかたもいらっしゃるかもしれません?省令準耐火構造では、梁表しは出来ないのではと?

    IMG_4343.jpg
    実際、省令準耐火構造の場合、一律梁現しは出来ないと回答する工務店さんもいらっしゃるようです。我が家も契約しなかった某工務店には、梁現しはNGで、石膏ボードを貼ってクロスを巻くことになると説明されました。
    最初に聞いたとき、これは工務店独自の事情なのか、省令準耐火構造の普遍的ルールなのかわからなかったんですよね。

    しかし、アコルデでは、結果的に可能になったんです。他のことに精一杯だったためか、当時はあまり細かく調べていなかったんですけどね。
    随分後から興味を持って、調べてみるとフラット35のサイトには「できません」と書いているのを見つけて、少々心配になりました。
    一体全体、何が本当なのでしょう。

    さらに調べてみると、日本木造住宅産業協会や、JBNの仕様に従うと、省令準耐火構造でも梁現しが出来ることがわかりました。

    ちょっと、このあたりはっきりした情報が少ないので、私のように混乱する人も多いのではと思います。

    古くからやっている工務店さんでは、以前はできなかった経験があるので、もしかしたら情報がアップデートされていなかったり、対応体制がないことも原因かもしれません。
    例えば、こんな記事こんな記事もありますので、工務店さんも、新しいルールに対応していくのが大変ですね。

    アコルデは、JBNデータベースに登録されているので、JBNの仕様で対応してくれたのかもしれません。
    ちなみに、アコルデに聞いたら燃え代設計という太い梁を採用する方法で対応していると教えてくださいましたが、やはりJBNの仕様の気がしますね。。でも可能になったのが2011年ということなので、2012年に建てた我が家は、めちゃめちゃ運の良いタイミングでした。

    あと、構造材の梁ではない場合も、現しに出来るという話もあるので、燃え代だけでない対応方法があるのかもしれません。

    柱・梁桁などムクの木を現しながら「省令準耐火構造」に対応 : 富士山麓で暮らす

    先日(7/20)、JBN(工務店サポートセンター)の省令準耐火構造の講習会を受講しました。
    正確には、住宅金融支援機構承認「木造軸組工法によ…

    うーーー。
    本当は省令準耐火構造だけでない話も書こうと思ったのですが、結構これだけまとめるのに時間がかかりすぎてしまったので、次回にまわしますね。すみません。

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