資金不足と借金持ちは家づくりを諦めるしかないのか?

    振り返り

    我が家は、幸い二度家を買う機会に恵まれたのですが、共通して感じたのが不動産屋さんは、やはり家を売るプロだなぁということです。思い返してみると、どちらのマイホーム購入も、資金不足で「自分が家を買えるのか?」と半信半疑で不動産屋のドアを叩いたのですが、結局無事買うことができました。
    不動産屋相談

    どちらのケースも全く計画性に欠けている上、資金不足だったりしたわけですが、それほど難しそうな素振りも見せずに淡々と対応してくださった印象です。自分としては、無茶な購入をしようとしているのではと考えていたのですが、結構他にも同じような境遇のお客さんがいることを聞かされて、随分ホッとしました。

    もちろん、相手は百戦錬磨の売ることが仕事なわけで、そう思わせて売ることが日常茶飯事で当然なのですが、先に一人で悶々と考えていたことが、ちょっとバカバカしくなった記憶があります。

    とにかく、インターネットや本で調べて考えてないで、不動産屋に相談したほうが、餅は餅屋で打開策が100倍早く見つかる気はします。ただし、業者さんも色々で短期決戦で売ることを急いでいる場合、頻繁な連絡があったり、強引だったりグレーな買い方を勧めてくるケースがあるので、施主側もしっかり気持ちを持っておく必要がありますが。

    たとえば、当ブログの初期の記事で、資金不足の方があえて注文住宅を選ぶ場合があるという話を書きました。
    グレーゾーンの話なので具体的なことは書けなかったのですが、このへんを見ると少しヒントになるかと思います。かなりグレーゾーンですよね….

    四季仲介と注文住宅が選ばれるもう一つの理由[自己資金不足で建てられる謎] – 不動産会社

    注文住宅なのか?地域はどうするのか?そもそも本当に融資は下りるのか?一気に考えることが増えて何から手を付けていいものかと混乱していました。そんな中で、もう少し考えの手がかりが欲しいと思い、平日の会社帰りに茅ヶ崎駅前にある四季仲介が目に止まったので飛び込んでみました。本当は、仲介手数料ゼロの仲介業者に相談したかったのだけど、この日は早く話を聞いてみたい気分でした。…

    不動産屋と違い、大手のハウスメーカーに我が家の予算感で訪問すると、わりと冷たいあしらいを受けたのですが、このあたりのグレーな対応に手を出すわけにはいかないからだと思います。まぁ、それでもそこそこ銀行が貸すだろう相手には、予算を無視して借りられる目一杯のプランを出してくるなどの攻撃はあるようなので油断はできませんが。

    我が家は、幸いグレーゾーンの手法を使わずに、なんとか二軒目の住宅ローンを組めて助かりましたが、このネットの時代でも、そんなことが可能という情報にたどり着くのがとても難しかったなぁという印象です。

    あらためて、資金不足を想定した場合に参考になりそうな、住宅ローンの融資の情報を集めてみました。

    物件以外に借りられる銀行(ネット銀行の場合)

    我が家の資金計画書一覧を見ていただければわかりますが、家づくりには建物と土地以外にも実に様々な費用がかかります。我が家はお金がないと言いながらも、自己資金として460万円ほど手元から出すことになったのですが、普段使ったことのないような金額を矢継ぎ早に支払っていくのはとっても不安がありました。最初の奈良の家の購入時は、50万円の手付金を出すのさえもままならないほどだったので、随分な進歩ではありますが、家を買うときの自己資金に悩む方は多いのではないでしょうか?
    我が家の最初の建売購入時は、金利も3.1%でしかも悪名高いゆとり返済だったので、そもそも無謀だったのですが、現在の低金利の環境では、貯金を貯まるのを待つより頭金なしで借りて買うほうが得という意見に賛成派です。

    ネット銀行は、そのあたりをよく認識しているのか、建物や土地以外にいろいろな諸費用を一緒に借りられる住宅ローンが増えてるんですね。
    ネット銀行で借りられる諸費用

    こんなに色々貸してもらえるなら、手元の現金を慌てて手放さなくても借りてしまったほうが得な気がします。
    少なくとも十年間は住宅ローン減税で1%分が返ってくるのですから、現在の金利ならプラスマイナスゼロか、場合によっては逆ザヤでプラスになるとも考えられます。
    リスクを取れるなら、手元に残した数十万〜数百万相当の自己資金をリートやソーシャルレンディングに投資して運用するのも一案ではないかと思います。

    我が家の場合、二軒目の住宅ローンだったので融資額の上限が厳しかったので、仕方ありませんでしたが、可能ならなるべく自己資金は手元に残しておきたかったところです。

    住宅ローン手数料・引越し代などの「諸費用」まで借りられる住宅ローンを、14銀行で徹底比較!今や「頭金なし」「オーバーローン」は当たり前?|住宅ローンおすすめ比較[2018年]|ザイ・オンライン

    住宅ローン借り入れの際に、手数料、登記費用だけでなく引越代といった諸費用まで貸してくれる、「オーバーローン」を認める銀行が増えている。さらに、かつては「頭金1~2割」が必要だったが、現在は「頭金なし」でも借りられる銀行も登場している。現在は、手持ち資金がなくても住宅ローンを借りやすい時代になっているのだ。そこで主要14銀行について、どんな諸費用まで貸してくれるかを調査してみた。

    超低金利時代は、「頭金なし」で住宅ローンを借りたほうが頭金を貯めるより返済はラクになる!|不動産・マイホーム・住宅なら住まいの大学

    頭金なしで借りた場合と頭金を用意して借りた場合では、どれくらい返済負担に差が出るのでしょうか? 現在30歳の人が3000万円の物件を65歳までのローンで購入するケースを例にとって考えてみましょう。頭金を貯めるための毎月の貯金額は5万円として考えます。 (1)いますぐ頭金なしで35年ローンを組んだ場合…

    物件以外に借りられる銀行(普通銀行の場合)

    冒頭のようにグレーゾーンの方法を取らなくても、普通銀行でもオーバーローンに対応してくれるところもあるようです。ただし、物件本体以外は優遇金利が適用されなかったりするので、自己資金がある場合は借りるべきかどうかは慎重に考えたほうが良さそうですね。とはいえ、優遇金利が適用されない金利でも、一般的なローンではまずありえない低金利で借りることができるので、無理して手元資金を出してしまったあと、自動車ローンや教育ローンを高い金利で組むことになるぐらいなら、借りるほうが賢い気がします。

    ちなみに、下記の記事によると物件以外の費用をオーバーローンで借りられるのは、

    • みずほ銀行
    • りそな銀行
    • 三井住友銀行

    だそうです。

    『諸費用』も『住宅ローン借入』に組込むコツ!

    『オーバーローン』に対応できる銀行と出来ない銀行があります。また『オーバーローン』の住宅ローンでは、同じ金融機関であっても、住宅ローンの『金利』や『保証料』などの条件が異なる場合がありますので注意が必要です。

    二軒目ローンに対応してくれる銀行

    原則的には、1軒分しか借りられないと言われる住宅ローンを我が家は二軒目に融資してもらうことができました。実際、訪問した銀行に呆れるように、たしなめられる経験もしたので、正直ばかなことをやってると心が折れそうになりましたが、今ではグーグルで検索すると結構二軒目の住宅ローンの話が出てきますね。当時は、全然情報が出てこなかったので、とっても不安だったんですよ。
    ただ、あきらめずに不動産屋や工務店に相談すると、二軒目の住宅ローンを借りて買った人がいる事例がいくつか聞けたので、救われたのですが、どんな情報でも見つかると思われがちなインターネットでも、まだわからないことがたくさん有るんだと実感しました。

    とおもって、過去の記事を眺めていたのですが、我が家が聞いた二軒目の住宅ローンを組ませてくれる銀行の名前をちゃんと明かしていなかったようです。(といっても、大抵想像が付くと思いますが)

    下記の記事で記載していた銀行名は次のとおりです。

    • 三菱UFJ銀行(JFK銀行)
    • みずほ銀行(稲穂銀行)
    • 三井住友銀行(松井親友銀行)
    • 横浜銀行(横幅銀行) ←我が家が最終的に借りたところです
    • 静岡銀行(お茶の里銀行)
    • スルガ銀行(するめ銀行)
    • ゆうちょ(ゆず貯)
    • 労金(老金)
    • フラット35

    あと、別のところからりそな銀行も可能と聞いたのですが、奈良の家のローンを借りているのがりそなだったので、あたりませんでした。さすがに同じ銀行で二軒目を借りるのは、どこも難しいようです。

    お金をかける宣言の、銀行事情に詳しい外張り断熱の家 – 神奈川の工務店(茅ヶ崎、平塚、他)

    スーモカウンターから紹介を受けた一つ目の建築会社オネストを訪問しました。お登りホームと同様に外張り断熱仕様なので、価格が心配なのですが、スーモカウンターによると予算面での融通は利かせてくれるということです。さらに女性建築士が設計するということで、新しい発見が期待できるかもしれません。今回は、スーモカウンターから細かなヒアリングを受けていて、我が家の状況は詳しく伝えていただいているということです。こ…

    ちなみに、ネット銀行で二軒目の住宅ローンは無理そうと思っていたのですが、我が家は借り換えの申し込みで楽天銀行の審査が通りました。もしかしたら、二軒目の購入時も通るのかも?他の銀行も大々的には情報を公開していませんが、申し込んで見ると、以外にOKが出るのかもしれないと勝手に思っています。

    賃貸中の住宅ローンも借り換えが出来る

    購入時の話ではありませんが、融資つながりでの豆知識です。我が家は、ローンで支払っているよりも賃貸料のほうが少ないので、キャッシュ・フローはマイナスで大変なのですが、賃貸に出しているのに住宅ローンの条件のままで融資を続けてくれている銀行の対応には助かっています。(ちなみに、キャッシュフローはマイナスでも、なぜか確定申告では黒字になって税金が発生するので、さらに大変)
    当時おそらく売って処分しようとしても、ローンの残債をすべて返せなかったので、賃貸しながらゆっくり返すしか選択肢がなかったんですよね。
    ただ、賃貸中の住宅ローンのネックは、借り換えがまずできないことです。同じようなことを考える人は、他にもいらっしゃるようですが、難しそうですね。

    というのが一般常識なのですが、我が家が実際にトライして、賃貸したまま住宅ローンの借り換えに対応してくれる会社が一つだけありました。

    それは、東京スター銀行のスターワン住宅ローンです。

    一時期、話題になった預金連動型住宅ローンという、預金する分の金利が免除され繰り上げ返済と同様の効果が得られるという、変わった商品です。

    今でも、商品説明のページに次の文言がわざわざ記載されているので、相談の余地はありそうです。
    「※ 現在居住されていない住宅に関するお借り換えの場合もご相談ください。」
    ただし、スターワン住宅ローンは、金利以外にメンテナンスパック料と言われる手数料がかかるため、単純な金利の比較だけで借り換えメリットを判断するのはリスクがあるのでご注意ください。

    我が家の場合、本気でスターワン住宅ローンに借り換えるつもりでしたが、結果的にりそなが金利の値引きに応じてくれるというミラクルが起きて、結局借り換えとなりませんでした。

    [番外編] 返済中の住宅ローンの値引きができるとは – 番外編

    前回のエントリーで金利のことを書きましたので、意図せず返済中の住宅ローン値引きをしてもらうことが出来た話を書いてみようと思います。…

    [借り換え審査の]ネット銀行の金利をマジ知らないの?[真の目的とは] – 住宅ローンの融資

    楽天銀行の借り換えの審査が承認されたけど借り換えを急ぐ必要はないだろうとの記事を書きました。そしたら、ちょこさんのブログを見ると楽天銀行の変動金利がさらに下がるですって?(汗)気持ちが揺らぐじゃないですか(笑)マイナス金利が発表された直後に軒並み固定金利は下がったのですが、変動金利への影響が反映されるのは6月ごろだろうという情報を目にしていましたが、まさかさらに下がるとは。まぁ、それはそれで、真の目…

    すでにある借金をまとめられる住宅ローン?

    まさに、冒頭でご紹介したヒントのページの話ですが・・・住宅を買おうと考えたときに、頭金どころか他に借金があるという場合がありますよね。そんな状態で家を買おうという事自体、一般的にはかなり危険な状態だと思いますが、借金しなければならなかったり、今住宅を買わないといけなかったりと、それぞれやんごとなき事情があるのではと思います。
    私も、最初の奈良の家を買おうとしたときは、120万円の車のローンを抱えていました。そりゃぁ、50万円の手付金も出せないわけです(笑)

    業者によっては、この既存の借金を住宅ローンにまとめてしまうことで、借金がある人にもマイホームを買えるように提案してくる場合があるようです。しかし、一般的には、このケースはグレーゾーンでかなり危険な橋を渡ることになるようです。物件購入目的以外の借金の借り換えがまとめられていると銀行に知られてしまうと、住宅ローンの一括返済を求められるリスクがあります。

    しかし、驚くことに、この住宅ローンへのおまとめを堂々とサービスとして行っている銀行もあるんですね。

    それは、播州信用金庫です。

    その名も、おまとめ借り換え住宅ローンと、ずばりそのまんま(笑)
    おまとめ借り換え住宅ローン
    融資利率は、変動金利で年 1.875%~年3.875%と一般的な変動金利と比べると高いですが、高い消費者金融の金利で融資を受けている人にとっては、とても助かる利率かもしれません。
    何より、マイホームを持てるという選択肢をグレーな方法ではなく、正々堂々と選べることになります。
    もしかしたら、この銀行のようにはっきり明示していなくても、正直に相談すれば応じてくれる銀行も他にあるかもと考えるのは甘いですかね。

    もちろん、元々返済しきれていない借金に加えて大きな住宅ローンがリスクとして加わりますので、かなり慎重に計画する必要があるかと思いますが。

    自分自身、ちょっとイレギュラーな方法で、マイホームの購入に苦労したので、一般的で綺麗な手順だけでなく、こういう選択肢が整備されたり情報が、もっと共有されることは意味があるのでは思ったりしております。

    建てたローコスト注文住宅の概要と当時の状況 | 幸せなローコスト注文住宅
    2012年8月に竣工した、我が家の概要です。建物をお願いしたアコルデの建築費用はわざわざ伏せているのですが、リンク先を見比べるとある程度推測できてしまいます。建物とその他費用で1,650万円なので、2012年当時とはいえ、ローコスト注文住宅

    コメント

    1. SECRET: 0
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      私も現在2重ローンを組んでいます。
      厳密には①現在住んでいる建売、②新居の土地、③新居の上物の3重ローンですが(笑)
      私は建売のローンの関係で最近では珍しいのですが、土地と上物を別でローンを組むことになりました。
      このローンについてはトゥルーライフの〇井さんに調べていただいて自分では調べなかったのですが、ローンは何とかなると思って住み替えを進めていくことができました。
      ローンって素人が把握するには難しい事が多いので、情報が整備・共有されると良いというのは同感です。

    2. まっしんはやぶさ より:

      SECRET: 0
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      3重ローンとは、なかなかの響きですね!(^^;
      確か、我が家もUFJの場合は土地と建物は別々のローンの申込書を書かされた記憶があります。
      銀行によっても扱いが違うみたいですね。

      不動産は、トゥルーライフを利用されたんですね。
      〇井さんのお仕事っぷりは、皆さん評判がよいですね。

      情報が整備されて欲しいと思う反面、グレーゾーンも避けられないいろんな事情もあるんだろうなぁと自身の経験も含めて、難しいところだなと実感しております。

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